日本聖公会第61(定期)総会が先日終わりました。37の決議がなされましたが、その中に「神愛修女会の今までの働きに感謝する件」という決議がありました。
日本には聖公会の修女会が2つありました。「ナザレ修女会」と「神愛修女会」です。その神愛修女会が昨年の11月10日の礼拝をもってその活動を終えたのです。修女さんの減少(お二人だけ)と高齢化のためです。いままでの活動に対して日本聖公会として感謝の意を表しました。とは言え、一つの修女会がなくなってしまったということは大変寂しいことですし、残念なことです。
神愛修女会は、戦後、聖ヨハネ修士会の木村兵三神父を中心に群馬県の榛名で誕生しました。当時、結核保養施設であった「榛名荘」(現在は立派な施設に変貌している。)での看護と、幼児教育を中心にして修道生活が行われました。
その後、南紀(和歌山県上富田町)に活動の場を移し、特別養護老人ホームを設立し社会福祉にも活動を広げました。老人ホームの設立に際して、県関係者からは、「あなたがたのような人が設立してくれたら老人たちは喜ぶでしょう」と勧められたとのこと。地元の人たちも「修女会だから」と言って協力を惜しまなかったそうです。その活動は現在も継続されております。
しかし、修女さんたちの減少と高齢化はいかんともしがたく、昨年、修女会自体の活動は停止せざるを得なくなったのでした。京都の主教さんは、修女会は解散したが「修女会だから」という精神はその地に残るのであり、「発展的解消」と理解したいと言っておられました。長い間のお祈りと働きに感謝します。いつの日かその精神が復活することを願いつつ…。
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死刑執行に断固抗議します
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
法務大臣 谷垣 禎一 様
死刑執行に断固抗議します
本日、大阪拘置所において川﨑政則さんに対して死刑が執行されました。第2次安倍政権発足後、9名にのぼる執行となります。極めて遺憾であり、死刑執行に断固として抗議します。
死刑制度の存置が犯罪抑止力にならないことは統計上からも明白であります。また、足利事件、志布志事件、東電OL殺人事件、そして先ごろの袴田事件など冤罪事件が続発しており、今もなお、名張毒ぶどう酒事件など、冤罪を訴え続けている死刑囚がおります。ひとたび死刑が執行されれば、取り返しがつきません。
国際的に、死刑制度は廃止される傾向にあり、世界で死刑を廃止または停止している国は140か国に上ります。OECD(経済協力開発機構)加盟国(34か国)の中で死刑制度を存置している国は、日本・韓国・アメリカの3か国のみですが、韓国とアメリカの18州は死刑を廃止または停止しており、死刑を国家として統一して執行しているのは日本だけです。
私たちは現在、死刑の判決後キリスト教の信仰を受け入れ、受洗した死刑囚と共に信仰生活を送っております。また、これまでに、自分の犯した罪に真摯に向き合い、「生きて罪を償いたい」と贖罪の日々を送っていた5名の同宗の友を、死刑の執行によって奪われました。私たちの、死刑制度廃止を求める願いには切なるものがあります。
私たちは、神より与えられたすべての人の生命と尊厳、そして人権を守るキリスト教信仰にたって、一日も早い死刑制度の廃止を訴えます。谷垣法務大臣には、是非とも多くの死刑制度廃止を訴える私たち国民の声に耳を傾け、内閣及び国会の場において、死刑制度廃止に向け努力されますように、また、その法改正がなされるまで、決して死刑の執行をしないよう強く要請致します。
2014年6月27日
日本聖公会中部教区・宣教局社会宣教部
集団的自衛権の行使容認に反対します
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
集団的自衛権の行使容認に反対します
わたしたち日本聖公会中部教区社会宣教部は、安倍首相が表明した集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更を検討することに対し反対します。
日本国憲法は、破壊的な戦争の反省によって作られた憲法であるとともに、この戦争によって甚大な被害を受けた国内外の人々の尊い犠牲の上に作られた憲法です。特に憲法第9条は「武力による威嚇又は武力の行使の放棄」「戦力不保持」「交戦権否認」を定め、国内外で平和憲法と認められています。日本の歴代政府は集団的自衛権について、「主権国として保有している」と位置づけながら、行使は憲法第9条のもとで許された「必要最小限度の実力行使」の範囲を超えると解釈し、禁じてきました。憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認は、戦後の平和主義を捨て、戦争のできる国にしようとするということです。
また、首相は、与党協議の結果に基づき、憲法解釈の変更が必要とされれば、改正すべき法制の基本的方向を閣議決定していくと述べています。国民的議論も合意もなく、平和主義憲法の根幹を変えようとしています。解釈変更だけで行使を認めれば、憲法が権力を縛るという立憲主義の原則が否定されることになります。
わたしたちは再び加害者にも被害者にもならないため、日本国憲法、ことに第9条を守り、憲法第9条を形骸化する集団的自衛権の行使容認に断固反対します。
以上
2014年5月24日
宗教法人日本聖公会中部教区 社会宣教部