去る4月25日、愛岐伝道区婦人親睦会が豊橋昇天教会でありました。午前中、聖餐式を行い、午後、同教会信徒の白藤シンデレラさんのお話を聞きました(「シンデレラ」という名前はお母さんが少女の頃憧れた童話から取ったそうです)。表題はその時の演題です。
シンデレラさんはソロモン諸島の出身で、2004年に農業支援を行うNGOで同国に行っていた夫の謙一さんと出会い結婚しました。1ヶ月で結婚を決めたそうです。結婚後、謙一さんはソロモン諸島でNGOに従事し、シンデレラさんは来日し、謙一さんの実家に住み日本語の勉強をしました。しばらく別居生活でした。
その後、長崎県の平戸での生活を経て、現在ご一家は豊橋に住んでおられます。シンデレラさんは大変明るく、前向きで、ソロモン諸島とは生活習慣や文化の全く異なる日本での生活を楽しく「奮闘」しておられるように見えました。
彼女が心がけていることは「環境適応」「思いやり」「行動」とのことでした。様々な環境に自ら飛び込んで慣れ親しむこと、人々に思いやりをもって接すること、そして、どんなことにも挑戦してみること。彼女のそういう生き方が彼女に接する人々に明るさをもたらしているのだと感じました。
ソロモン諸島はメラネシア聖公会に属しています。ソロモン諸島の人々の95%はキリスト教徒で、その内45%が聖公会です。最大教派です。
また、首都のあるガダルカナル島は太平洋戦争の激戦地であったことは良く知られています。そういう意味では日本にも深い関わりのある国と言えます。戦後70年の今年、ソロモン諸島出身であるシンデレラさんにとても興味深いお話を聞く機会が与えられたことは感謝でした。
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戦後70年と沖縄
6月23日は“沖縄慰霊の日”に当たりますが、今年は戦後70年ということで日本聖公会の現職主教全員が沖縄に参集し、平和のために祈ることになっています。
言うまでもなく太平洋戦争において沖縄は国内で最大の地上戦が行われたところです。そして、死者は日本側だけで約19万人で、うち沖縄関係者の死者は、民間人約9万4千人を含め12万2千人余りと言われています。
悲惨な戦争の実態はわたしたちがしばしば見たり聞いたりしているところです。中部教区では1986年に教役者がそろって沖縄へのスタディツアーを行い、沖縄が置かれている現実をつぶさに学びました。6月23日の慰霊の日には当時の諸魂教会で沖縄教区礼拝に参加し、信徒の方から沖縄戦での悲劇の証言をお聞きしました。
また、集団自決で多数の人々が亡くなった“チビチリガマ”(洞窟)も当時はまだそのままの状態で、草が生い茂る崖のような斜面を下り、ガマに入った記憶があります。中は暗く、足元には骨が散らばっており、水筒などの生活用品もそのままの状態でした。当時でも既に戦後40年は経っていましたが、戦争の傷跡はそのままでした。
戦後70年経っても沖縄の現実は変わっていません。基地は相変わらずそのままで、さらに辺野古には新たに基地が作られようとしています。民意は無視され、首相や官房長官は県知事に会おうともしません。補助金も削減されています。“意地の悪い”対応と言わざるを得ません。
この原稿を書いている現在、沖縄県知事が辺野古への基地移設作業の停止を指示しましたが、防衛省は対抗措置を取ろうとしています。重い荷物を負わせ続けてきてしまっているわたしたちの沖縄に対する深い心配りこそが今求められているのではないでしょうか。
声明書(原子力発電所再稼働)
内閣総理大臣 安倍晋三 様
経済産業省 御中
原子力規制庁 御中
声明書
2011年3月11日の東日本大震災において生じた東京電力福島県第一原子力発電所の事故による放射能汚染の問題は、3年8カ月過ぎた今も、その解決の方向性も定まっていません。廃炉には数十年もの時間がかかり、危険な作業が必要です。また、汚染地域で排出された放射能汚染物資は各地に山積みにされていて、中間貯蔵施設、最終処分場の目途さえ立っていません。避難生活を余儀なくされている方々は、はたして帰還できるのか、また、それがいつになるのか予想もつかず、大変な苦しみや悲しみの中、不安な日々を送られています。
日本聖公会は、2012年第59(定期)総会で「原発のない世界を求めて~原子力発電に対する日本聖公会の立場~」を決議しました。その決議文の最後は、「私たちは教派・宗派を超えて連帯し、原子力発電所そのものを直ちに撤廃し、国のエネルギー政策を代替エネルギーの利用技術を開発する方向に転換するよう求めます。そのために、利便性、快適さを追い求めてきた私たち自身のライフスタイルを転換することを決意します。苦しみや困難を抱える人々と痛みを分かち合い、学び合い、支え合って生きる世界を目指します。」と締めくくられています。
私たち日本聖公会中部教区第86(定期)教区会は、このような立場に立ち、すべての原子力発電所の再稼働に反対します。
以上
2014年11月22日
日本聖公会中部教区第86(定期)教区会