横浜教区・船員さんに毛糸の帽子を編んでみませんか~MtSサポート~

7月14日(7月の第2主日)は海の主日ですが、横浜教区社会委員会ではMtSサポートとして毛糸の帽子を編んで届ける活動を行っています。
毛糸の寄付も受け付けているそうです。詳しくはWebサイトをご覧ください。

横浜教区のWebサイトはこちら⇩
https://anglican.yokohama/8505/?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTEAAR2R98mTLTk7FVsdLS9br7YToCwSUBxc_sjJQ7Lrjv5LD9E5WWYeioYzMEA_aem_ZmFrZWR1bW15MTZieXRlcw

ひさかたの

 この原稿を書いているのは4月、桜が満開の時期です。わたしの勤めている新生病院でも、患者さんが看護師やリハビリスタッフと中庭に出て、お花見をされています。
 主日の礼拝後にも信徒さんのアイデアで、中庭に皆で集まり、お茶とお菓子でお花見の時を持ちました。散歩に来ていた患者さんとも、声をかけあって過ごしました。誰もが嬉しそうに、白やピンクの花々に囲まれてお茶を飲んでいる様子、それは楽園を思わせるような光景でした。
 数日後の昼休み、桜の花びらが空から降り注ぐ中、わたしは礼拝堂への道を歩いていました。長い冬が終わり、春が来たことを感じながら、つれづれなる思いは、聖書のみ言葉に向かっていきます。
 イエス様が生涯でなさったことはたくさんありますが、その中でも「共食」、つまり誰とでも分け隔てなくご一緒に食事をしたことは、大きなことだったと言われています。「開かれた共食」、イエスと共に多様な人々が一堂に会し、食事を楽しむこと、それはユダヤ人と異邦人、豊かな人と貧しい人、健康な人と病の人、また男性と女性など、様々な「区別」によって分けられ、ばらばらに食事をとっていた人々にとって、驚きに満ちた体験だったに違いありません。
 死からよみがえられ、弟子たちの前に姿を現わされたイエス様は、再び皆と食事をされました。それは「いのちそのものを分かち合う」という食事の神秘を私たちに知らせ、「隔てを越えて皆が共に食べる」という経験をすることに、神様の深い思いと願いがあることを示してくださっているのだと、わたしは思います。
 食事はわたしたちの生きる根源です。日々、様々な動植物のいのちをいただいて、わたしたちは生きています。その事実が持っている厳粛さと、ささげられたいのちを無駄にできないという思いを、大切にしていきたいです。
 わたしたちはまた、日曜日ごとに皆で教会に集まって、聖餐式ではご聖体をいただき、身も心もイエス様と結ばれ、養われる経験をします。わたしたちの教会は、実は毎週宴会をしているといってもよいのです。そして聖餐式は、いずれイエス様が再びわたしたちの所にやって来られる時、悩み苦しむすべての人の涙をぬぐってくださり、重荷をおろさせ、共に席に着いてくださるという、新しい宴会の先取りであるともいえます。
 信仰は空想や思い付きではなく、食事のようにわたしたちのいのちや生活に関わる、きわめて具体的な現実の中に形をとってあらわれていくものだと思います。…。
 「チャプレン、患者さんがスタッフと一緒に、今から中庭にお花見に行きますから、お迎えに来てください」。
 そんな看護師からの内線電話で、我に返りました。「神の国は、あなたがたの中にある」(ルカ17章21節)。「ぼんやりしていないで、私と一緒に来なさい」。そのようにイエス様に言われたような気がしました。花を見てうっとりしたり、感傷的になったりしている場合ではありません。神の国、神様の思いの満ちた場所は、出会いと祈りの中で、今ここに、わたしたちの間に実現するのです。
 そこに立ち会わせていただく恵みを、これからも感じさせてもらいながら、日々働いていきたいと思います。

司祭 洗礼者ヨハネ 大和孝明
(新生礼拝堂牧師)

「種まき人」としての働き

 去る4月20日(土)、高田降臨教会において、フランシス諸岡研史師の執事按手式が行われました。とても豊かな按手式でした。諸岡先生は、名古屋フィルハーモニー交響楽団で32年にわたりオーボエ奏者として活躍された方です。その後、愛知聖ルカセンター、一宮聖光幼稚園園長、中部教区総主事など、教会の働き人として誠実に奉仕してこられました。そして、新たにフランシス諸岡研史新執事として、公会の宣教・牧会の働きに加わっていただくことになりました。引き続き、認定こども園もみじ幼稚園の園長、さらには直江津の聖上智オリーブこども園の園長も担っていただきます。
 昨年末のクリスマス、12月25日、高田降臨教会での降誕日聖餐式の際に、もみじ幼稚園の子どもたちがたくさん参加してくれました。みんな少し緊張した面持ちながらも、しっかりとお祈りの姿勢にアーメンと応えてくれて感激でした。その時に、私の横で、諸岡先生が、一人ひとりの子どもたちの名前を伝えてくれました。きっと、幼いながらも、子どもたち一人ひとりの中に、その時の記憶が残っていくのだと確信するのです。
 高田降臨教会では、今年に入って、主のもとに召された方が続きました。そして火葬場でお待ちしている間、お食事をいただくのですが、ご遺族の中に、もみじ幼稚園ご出身の方も多く、みなさん、幼稚園時代に毎日、唱えていた食前の祈りを良く覚えておられるのです。このお祈りは、たとえその後、教会から遠のいたとしても、心と体に刻まれていて、いつでも暗唱できるのです。それはすごいことです。
 私たちのキリスト教教育は、種蒔きなのです。それをいつかは神さまが必ず芽吹かせくださる。そのことに信頼しながら、ぜひこれからも精一杯に、自信をもって、日々のキリスト教幼児教育・保育を担っていただければと願います。

横浜教区・聖書と環境問題講演会のお知らせ

横浜教区から、聖書と環境問題講演会のお知らせをいただきました。
申し込み締め切りは5月12日とありましたが、5月27日(月)まで延長されましたので
是非ご確認ください。

礼拝カレンダー5月号

いつも教区Webサイトをご覧くださりありがとうございます。
礼拝カレンダー5月号が完成しましたのでお知らせいたします。

季節の変わり目で体調を崩しやすい時期ですが、どうぞご自愛ください。

※4/30修正…5/5の大垣を修正いたしました。

イースター・メッセージ<暗闇の中に輝く〈命の光〉と出会う場所

 聖土曜日の礼拝では、復活のろうそくに火が灯されます。その灯火は眩しいものです。それは、暗闇の中であるからに他なりません。イエスさまが十字架に架けられた。そして十字架の上で息絶えられた。
 昼の十二時になると、全地は暗くなり、三時に及んだ(マルコ15章33節)
 主イエスの時代は、まさに暗闇の時代であったことを、私たちはまず思い起こさなければなりません。
 さて、ヘロデは博士たちにだまされたと知って、激しく怒った。そして、人を送り、博士たちから確かめておいた時期に基づいて、ベツレヘムとその周辺一帯にいる二歳以下の男の子を、一人残らず殺した。その時、預言者エレミヤを通して言われたことが実現した。「ラマで声が聞こえた。激しく泣き、嘆く声が。ラケルはその子らのゆえに泣き、慰められることを拒んだ。子らがもういないのだから」(マタイ2章16―18節)
 争いと分裂の中、子どもたちの命が奪われていく。そのような暗黒の時代に、主イエスはお生まれになった。イエスさまは、暗闇の中に光として、平和の君としてこの世に遣わされました。洗礼者ヨハネの父、ザカリアは、このように預言します。
 幼子よ、あなたはいと高き方の預言者と呼ばれる。主に先立って行き、その道を備え、主の民に罪の赦しによる救いを知らせるからである。これは我らの神の憐れみの心による。この憐れみによって、高い所から曙の光が我らを訪れ、暗闇と死の陰に座している者たちを照らし、我らの足を平和の道に導く(ルカ1章76―79節)
 暗闇を照らし、平和の道を切り開くこと。それは洗礼者ヨハネが告げていた主イエスの使命でした。イエスさまはガリラヤの地で、辺境とされた地で、さまざまな人々の痛みや苦しみ、叫びがこだまする地で、一筋の光としての働きを担われたのです。
 こうして、預言者イザヤを通して言われたことが実現したのである。「ゼブルンの地とナフタリの地、湖沿いの道、ヨルダン川の向こう、異邦人のガリラヤ。闇の中に住む民は、大いなる光を見た。死の地、死の陰に住む人々に、光が昇った。」その時から、イエスは、「悔い改めよ。天の国は近づいた」と言って、宣べ伝え始められた(マタイ4章14―17節)
 主イエスは、この暗闇の中に光を灯すために、自らを燃え尽きさせられました。一粒の麦は地に落ちて死に、そして何倍もの実を結ぶ。
 「私は世の光である。私に従う者は闇の中を歩まず、命の光を持つ」(ヨハネ8章12節)
 主イエス・キリストが十字架の上で息絶えたのは、それは、この世に〈命の光〉を生み出すためでありました。その〈命の光〉こそが、よみがえりの主に他なりません。よみがえりの主と出会える地はどこでありましょうか。福音書には、明確に示されています。それは、「ガリラヤ」でありました。イエスさまが、人々と共に泣き、共に生きた地、「ガリラヤ」に行くことで復活の主と出会える。そこで、一筋の灯、〈命の光〉を見い出すことができる。暗闇の中で、平和への道が備えられる。
 主イエス・キリストは、私たち一人ひとりがガリラヤを目指し、平和への道を歩むよう促されます。そして、ガリラヤの地で、暗闇の中に輝く〈命の光〉が私たちの内に生まれるようにと導いてくださいます。それでは、「私にとってのガリラヤとはどこなのか」。今年の復活節、深く黙想できればと願います。