立教大学では、今年の9月からウクライナで大学生としての学びを継続することが困難になった学生5名を受け入れ、現在、彼女たちは元気に学びと生活を送っています。けれども、ゆっくり話を聴くと、ウクライナに残る家族たちを思う言葉が次第に溢れ出し、涙が止まらなくなる学生もいます。自分だけ安全な場所に逃れてしまって良いのだろうか、との自問もあります。つい先日もキーウに対してミサイルの波状攻撃があり、大きな被害が出ました。発電能力の40%が喪失し、極寒の真冬に人々が耐えられるかが懸念されています。彼女たちがどんな思いで、これらのニュースに接しているのかを考えるだけで、私たちの〈はらわた〉も、きりきりと痛むのです。
主イエス・キリストがお生まれになった二千年前のベツレヘムでもまた、一人の暴君によって無数の尊い命が徹底して蹂躙されました。主の使いが夢を通してヨセフに告げました。「起きて、幼子とその母を連れて、エジプトへ逃げ、私が告げるまで、そこにいなさい。ヘロデが、この子を探し出して殺そうとしている」。ヨセフは夜のうちに幼子イエスとマリアを連れてエジプトへ逃げ、暴君が死ぬまでそこにいたと言います。暴君は博士たちにだまされたと知り、激怒します。そして、ベツレヘムとその周辺一帯にいる二歳以下の男の子を、一人残らず殺したのです。
それは、預言者エレミヤを通して言われていたことの現実化でもありました。
「ラマで声が聞こえた。/激しく泣き、嘆く声が。/ラケルはその子らのゆえに泣き/慰められることを拒んだ。/子らがもういないのだから」
ラマでの叫びとウクライナでの嘆きは間違いなく通底しています。
ロシアによるウクライナ侵攻が始まった頃、2016年に81歳で天に召された米国長老教会長老で詩人のアン・ウィームズ(Ann Weems)さんが、2003年の灰の水曜日に書いた『もはや平和を祈らない』と題された詩が、多くの人々によって、あらためて共有されました。
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戦争の縁に片足はもう入っている/もはや平和を祈らない/奇跡を祈るのだ
石の心が/優しい心へと変わり/悪意が/慈しみの心へと変わり/配備されているすべての兵士が/危険な場所から救い出される奇跡に/全世界が/驚いて膝をつくことを
すべて〈神が語られること〉が/骨をとって立ち上がり/不信仰の纏(まとい)を取り除かれ/力強い真理の中を再び歩み始めることを
全世界がともに座して/パンと葡萄酒を/分かち合うことを
希望などないと言う人もいる/けれども、わたしたちの信仰が躓いたとしても/決して諦めることない聖なる愚か者たちに/わたしはいつも拍手を送ってきた
わたしたちは神に愛されているのだと/わたしたちは真に互いに愛し合うことができるのだと
もはや平和を祈らない/奇跡を祈るのだ
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主がお生まれになった時代も、平和など祈れない時でした。しかし、それでも人々は奇跡を祈ったのです。そして確かに主イエス・キリストという暗闇の中で眩しく輝く光が与えられたのでした。それこそが〈クリスマスの奇跡〉に他なりませんでした。
私たちもまた、決して諦めずに奇跡を祈る「聖なる愚か者」であり続けたいのです。
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軽井沢ショー記念礼拝堂でチャペルコンサートを開催しました
軽井沢ショー記念礼拝堂でオンラインのチャペルコンサートを開催いたしました。
(撮影日:2022年8月29日)
軽井沢でのコンサート風景を是非お楽しみください。
https://youtu.be/U0BUqF929XA(※軽井沢ショー記念礼拝堂の「教会からのお知らせ」からご覧の方は、こちらのリンクURLをクリックしてください。)
プログラム
(前半)
1. shine (門田和峻)
2. ブラザー・サン、シスター・ムーン
※ アッシジの聖フランチェスコ伝記映画の主題歌
3. 天使のセレナーデ (G.プラーガ)
4. 天使の糧 (S.フランク)
5. アベマリア (G.カッチーニ)
6.ピアノ三重奏曲 第1番より第2楽章 (メンデルスゾーン)
7. エストレリータ 小さな星(M.ポンセ)
8. 輝く日を仰ぐとき
(後半)
1. アレルヤ (モーツァルト)
2. 涙の流れるままに (ヘンデル )
3. アベマリア (ピアソラ)
4. アメイジング・グレイス
5. ムーン・リバー
6. ひまわり
7. Hikari (髙木美里)
8. 彼方の光 (村松崇継)
9. Earth (村松崇継)
出演者 フルチェピア
2017年10月結成。グループ名は各楽器のアルフアベット最初2文字を掛け合わせており、編成も分かりやすく可愛らしい響きでメンバー全員が大変気に入っている。木管、弦、鍵盤と見た目も奏法も違う三種の楽器それぞれの魅力が織りなす音色を武器に、クラシックを中心として多様なジャンルに挑戦している。年2回の自主公演のほか、パーテイ・イベント演奏、病院・介護施設など様々なお客様とのご縁を大切にし、温かみのある幸せな空間を目指して音楽づくりに励んでいる。とにかく明るく楽しい3人組のユニット。
フルート 高木美里
東京都出身。国立音楽大学演奏学科卒業。ムジークアルプ夏季国際アカデミー終了。第9回ウラジオストック国際音楽コンクール第2位。第21回日本クラシック音楽コンクール入選。国内外の音楽祭や、新国立劇場にて日本初演されたオペラに数多く出演するほか、アニメ「ポプテピピック」「ダイヤのA」などの劇伴のレコーデイングや、コブクロ等のアーテイストのサポートとして音楽番組にも出演するなど、その活動は幅広い。
チェロ 長谷川晶子
青森市出身。桐朋学園大学卒業、同大学研究科終了。卒業後、青森と東京にてソロリサイタルを数多く開催し、好評を博す。また室内楽演奏会も数多く開催し高い評価を得ている。現在はフリーのチェロ奏者として、ソロ、室内楽、オーケストラを中心に活躍するほか、アーテイストのサポートやレコーデイングなど、幅広いジャンルで活躍している。軽井沢では、大賀ホール、くつかけコンサート、軽井沢朗読館などに多数出演し、今回は、8回目となる。
ピアノ 降旗真理子
松本市出身。桐朋学園大学、同大学院修了。第1回ユーロレジョン国際ピアノコンクール第1位(フランス・アラス市)。ザルツブルグ=モーツアルト国際室内楽コンクール2020 IN TOKYOにおいて第3位を始めとする国内外のコンクールで入賞を重ねる。後進の指導にあたる傍ら、都内を中心にコンサートやライブイベントを精力的に行う。
稲荷山諸聖徒教会が登録有形文化財に登録決定
2022年11月18日(金)、文化審議会の答申が出され、稲荷山諸聖徒教会が国の登録有形文化財に登録されることが決定しました。
新聞やNHKニュース等にも取り上げられました。
このことによって、この地に建てられた教会の喜びが広く知られ、この美しい礼拝堂から、ますます主の福音が伝えられますように。
長野県のNHKニュースは、以下のリンクからご覧いただけます。稲荷山くるみこども園の収穫感謝礼拝の様子、地域とのつながりも語られています。インターネット上で数日間、視聴できるそうです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/nagano/20221118/1010024708.html
130周年記念礼拝(岐阜)
岐阜聖パウロ教会は2020年に創立130周年を迎えました。
コロナにより延期となっていました130周年記念礼拝を以下の通り行います。
岐阜聖パウロ教会創立130周年記念聖餐式
2022年12月18日(日)午前10時30分〜正午
司式・説教:主教 アシジのフランシス 西原廉太(日本聖公会中部教区主教)
補式 :司祭 ヨハネ 相原太郎(岐阜聖パウロ教会牧師)
礼拝はどなたでも自由に参加できます。事前連絡も不要です。
また、当日は、当教会の関連施設の岐阜アソシアの創立80周年の記念プログラムも予定されています。こちらについては申し込みが必要となります。詳しくは岐阜アソシアまでお問い合わせください。
クリスマス礼拝(岐阜)
12月24日(土)午後7時から
9つの日課と聖歌によるクリスマスイブ礼拝
*キャンドルの光の中での礼拝です。
司式・説教:牧師 司祭 ヨハネ 相原太郎
12月25日(日)午前10時半から
降誕日聖餐式
司式・説教:司祭 イサク 伊藤幸雄
礼拝はどなたでも自由に参加できます。事前連絡も不要です。
主に向かう道
2022年10月9日から11日にかけて、日本聖公会ナザレ修女会ナザレ修道院において、日本聖公会中部教区の教役者リトリートが行われました。西原主教が中部教区主教に就任して以来、初めて聖職団が対面で集まっての黙想会となりました。
黙想指導をしてくださったのは植松功さんでした。テゼの新しい歌『主に向かう道』もご紹介くださり、中部教区の聖職団で4声に分かれての合唱を指揮していただきました。
祈りと心を一つにしたハーモニーを是非ご覧ください。
楽譜はこちらです。
https://www.taize.fr/spip.php?page=chant&song=27568
copyright © Ateliers et Presses de Taizé, 71250 Taizé, France.
中日本宣教協働区チャプレン研修会のお知らせ
2022年ランベス会議に参加して
7月26日(火)から8月8日(月)にかけて英国・カンタベリーで開催された「ランベス会議」に出席させていただきました。正式な報告は、また別途の機会にさせていただきますが、ここでは特に印象に残ったことについてご紹介します。
私は1998年、2008年のランベス会議にもスタッフとして参加しましたが、今回、驚いたのは、出席した女性の主教の多さでした。1998年は「ランベス・イレブン」と呼ばれた11人の女性の主教が参加、前回は18人、そして今回のランベス会議には、笹森田鶴主教も含めて、実に98名もの女性の主教が参加されました。もはや世界聖公会は彼女たち、女性の主教たちの存在なしにはその働きを十全にはなしえないということです。
一方で、セクシュアリティをめぐっては依然として深刻な分断がコミュニオン内にあることが浮き彫りになりました。今回のランベス会議では決議ではなく「ランベス・コール」という文書を採択する方式が採られたのですが、起草段階ではなかった同性婚を否定する1998年ランベス会議決議を裏書きする文言が最終文案に挿入されたため、米国、カナダ、ウェールズなどの聖公会をはじめとして世界各地からこのプロセスに対する批判が集中し、カンタベリー大主教は急遽、この草案から当該箇所を削除することを発表しました。ランベス会議に参加したグローバルサウスの保守派主教たちは、今回出席している同性愛を公としている6名の主教たちと陪餐の列には並べないとして、カンタベリー大聖堂での開会聖餐式では席を立たず陪餐を拒否しました。
日本においても同性愛に対する無理解とそれがもたらす差別が、キリスト教の枠組みから語られることが後を絶ちません。それぞれのセクシュアリティはカラフルなものであり、その人の存在そのものと直結している。誰一人としてその人間としての尊厳が傷つけられてはいけないことを、私たちも粘り強く語り続けていかなければならないことを、あらためて確認する機会ともなりました。