いよいよ、10月12日(日)~13日(月・休)に、中部教区宣教150周年記念礼拝が献げられます。
礼拝準備チームでは、神様への献げものである礼拝をどう準備するかについて検討してまいりました。150周年を迎える祈りを作成して、年の初めから皆さんに呼掛けて、一緒に祈っていただき、今に至りました。大きな骨組みと言えば、改正祈祷書(試用版)を用いることでした。これまで管区の祈祷書改正委員会が中心になって進めてきた、改正作業の成果を取り入れようという判断からでした。慣れていない新しい言い回しや数多くの祈祷文の選択肢の中から私たちは「150周年に相応しいあなたの御心をください」という祈りを献げながら臨みました。
礼拝と言えば、集う一人ひとりが心はもちろん、各自の物語(信仰の歴史)を持って神の御前に立つ(イエス様の足元に集う)ことです。各自と各教会や伝道区、そして関連施設を通して、神様の導きの物語が生きていて、信仰の証しが語られる礼拝が献げられたら嬉しいという思いを大事にしながら今日を迎えることが出来ました。宣教師・教役者・信徒さん、先達の方々のお働きがイエス様と共に今も私たちと一緒に呼吸するイメージを描いての礼拝をみなさんと共に献げられることを期待しています。
夕の祈りではまず、教区内のこどもたちの活動を画面で紹介します。こどもたちや皆が制作した灯り(ランプ)から光を受けて、主の導きのうちに礼拝を始めます。その後、説教の代わりに中部教区の歴史を短く振り返って黙想をする、という進行を考えています。
感謝聖餐式では英国や米国、そしてカナダ聖公会の伝統を受け継いだ上に、大韓聖公会やフィリピン聖公会との交流があっての中部教区であることを表す為の要素も考えています。それに、教区内の各教会の信徒さんで結成された聖歌隊と豊かな楽器が調和を作る礼拝になることを希望しています。
中部教区は2001年10月7日~8日に、中部教区フェスティバル「平和への巡礼in 21」を名古屋で開催しました。特に、ユースコーディネーターさんの多大な尽力もあり、青年たちが中心となって教区の全教会をまわった十字架の巡礼のこと、そして「古今聖歌集増補版 ’95」の全聖歌を録音した事を思うと胸がいっぱいになります。毎週土曜日、名古屋聖マルコ教会に集い、クッキーを作り、交通費を備えては十字架を背負って各教会を訪ねました。ところが、私たちは記憶の中でのみ、「確かにそういう時もあったな~」と回想する寂しい終わりにはしたくない想いもあるかと思います。
あの時から既に二十数年が経ち、私たちはもう一つの節目を迎えています。あっという間に時間が流れ、気づいてみたら大変な局面に向き合っている現実を通して、私たちが挙げたキーワードは「裸足の宣教」です。
イエス様が、掲げられていた十字架から降ろされ、血まみれになって命をも落とされたまま、お母様に抱かれて、まさしくすべての希望がオールストップしたような寂寞感に満ちていた時を聖書は私たちに伝えています。そうであったからこそ、亡くなったイエス様の足元に集まった極めて少数の人たちが居て、その少数の人たちを通して十字架の救いの道が開かれた事を覚えたいと思います。
司祭 イグナシオ 丁 胤植
(名古屋聖マルコ教会牧師)