中部教区のみなさま
4月13日付の常置委員会より「新型コロナウイルス感染症への対応について4」が発信されましたので、お知らせいたします。
※ライブラリからも見ることができます。
中部教区のみなさま
4月13日付の常置委員会より「新型コロナウイルス感染症への対応について4」が発信されましたので、お知らせいたします。
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日本聖公会は昨秋開催された第65(定期)総会において、教区制改革に関する画期的な決議をしました。具体的には日本聖公会にある11教区を3区域(東日本、中日本、西日本)に分けて宣教協働区とし、協働委員会を設置して区内の運営、宣教・牧会などについて協働を推進し、教区再編についても検討を始めるというものです。中部教区は、横浜・京都・大阪各教区と共に中日本宣教協働区に属します。また、教区主教を置かずに(選出せずに)、同じ宣教協働区内の主教の一人が管理主教となり、原則として5年以内に他教区との合併等の再編を目指す「伝道教区」への道をも新たに開きました。
そのような中、北関東教区では次期教区主教選挙を行わず、伝道教区になることを同教区会で決議し、先日3月6日に開催された第66(臨時)総会において、本年4月1日より北関東教区が伝道教区になることが正式に承認されました。また、10年以上にわたり合併を視野に入れた協働関係を構築してきた大阪教区と京都教区は、今秋の両教区会において合併の議案が提出されることになっています。
このように日本聖公会は大きな変革期を迎えていますが、そもそも教区区域再編の問題は日本聖公会組織成立時より繰り返し議論され、特に1970年代および2000年代には総会決議により専門の委員会が立てられて積極的な調査、研究が行われました。しかし、これまで「総論賛成・各論反対」の域を超えることは容易ではなく、ようやくここに至って日本聖公会全体の現実的、実践的な課題として受けとめる必要に迫られています。
ともしびの紙面を通して、状況を共有しながら教区制改革について共に考え、意見交換できる機会になることを願っています。
主教補佐
司祭 テモテ 土井宏純
中部教区報『ともしび550号』(2021年3・4月号)より
主教としての働きをはじめて、あらためて感謝なのは、教区の一つひとつの教会を訪問できることです。降臨節には、実に30年ぶりに一宮聖光教会を訪れる機会が与えられました。現在、聖堂の新築中ですが、旧聖堂での主教司式の最後の聖餐式を信徒のみなさまと共におささげすることができました。
礼拝前、聖堂前の植え込みに、少し錆びた恐竜のオブジェが置かれているのを発見しました。信徒さんに伺うと、それは長い間司牧された菊田謙司祭の娘さんで、かつて私が名古屋学生センターの主事をしていた頃からの青年仲間の片岡真実さんが作られた、大学の卒業制作だとのことでした。
真実さんは今や世界的なキュレーターとなられ、現在、東京・六本木にある森美術館の館長や国際美術館会議会長を務められています。先日も森美術館の特別展を、片岡館長直々のご案内で鑑賞させていただきました。1月5日付け朝日新聞夕刊にも一面を使って真実さんのインタビュー記事が掲載されていましたが、その中で印象深かったのは、「名前『真実』は新約聖書の一節に由来する」と記されていたことです。
昨年末、2022年に開催される国際芸術祭「あいち2022」(旧「あいちトリエンナーレ」)の芸術監督を、真実さんが担われることが発表されました。その記者会見の中で、未来のみならず過去の多様な人類の歴史にも光を当て、新型コロナウイルスや、人種、ジェンダー、民族的な差異に対する差別や不平等などの課題を、現代の問題としてとらえ対峙していくことの大切さを強調された上で、こう語られたのです。
「生きることは学び続けること。未知の世界、多様な価値観、圧倒的な美しさと出会うこと」
私は、これはまさに彼女の「祈り」なのではないかと思います。私たち教会が語るべきメッセージのひとつが、ここにあります。
キリスト新聞社主催<オンライン鼎談:コロナ時代に問う「神学+教育2.0」>に西原主教も登壇しました。
YouTube動画が公開されていますので、ご視聴ください。
***以下、主催者サイトより***
オンライン化がもたらすキリスト教の“希望”とは?
長引くコロナ禍で、すでに語り尽くされた感のある「新しい教会様式」。礼拝や授業のオンライン化がもたらしたものは何だったのか?
形骸化する「エキュメニカル」運動の課題を克服し、この危機を前向きな原動力に変えていくための知恵とは?
オンライン(バーチャル)かオフライン(リアル)かという二者択一の議論を越えて、これまでの教会、神学の課題と向き合い、単なる「延命措置」「対症療法」に留まらない展望はどこに見出せるのか――。
新年度を前に、キリスト教主義学校で教育、実践神学に携わる識者が集い、改めてコロナ時代の宗教、学校、教会が生きる道を模索しました。牧師や信徒、非信徒の垣根を越えて、苦難に満ちた現代社会の要請にも応えつつ新たな価値を創り上げるため、ぜひご視聴ください。
00:08:10~ 各校の現状とコロナ禍対応の実際
00:26:50~ 教育現場のオンライン化がもたらした最大の変化は?
00:58:34~ 教会のオンライン化に対する期待度は?
01:36:38~ コロナ時代のキリスト教・神学でカギを握るのは?
【登壇ゲスト】
・小原克博 こはら・かつひろ 1965年、大阪府生まれ。同志社大学大学院神学研究科博士課程修了。博士(神学)。現在、
同志社大学神学部教授、神学部長・神学研究科長、良心学研究センター長。専門はキリスト教思想、宗教倫理学、一神教研究。先端医療、環境問題、性差別などをめぐる倫理的課題や、宗教と政治およびビジネス(経済活動)との関係、一神教に焦点を当てた文明論、
戦争論などに取り組む。神道および仏教をはじめとする日本の諸宗教との対話の経験も長い。
・中道基夫 なかみち・もとお
1960年、兵庫県生まれ。 関西学院大学大学院神学研究科博士課程前期課程修了、修士(神学)。ハイデルベルク大学神学部、博士(神学)。現在、
関西学院大学神学部教授、神学部長・神学研究科。 専門は実践神学。宣教学に関心を持ち、アメリカから伝えられたキリスト教、
特にキリスト教葬儀が日本の宗教や文化と出会いどのように受容され、変容したかというインカルチュレーションの問いに取り組む。その関連から、礼拝学、牧会学へと関心を広げている。
・西原廉太 にしはら・れんた 1962年、京都府生まれ。京都大学工学部卒業。立教大学大学院文学研究科組織神学専攻修了。博士(神学)。4月より立教大学総長。日本聖公会中部教区主教。専門は、アングリカニズム(英国宗教改革神学)。世界教会協議会(WCC)中央委員。
キリスト教学校教育同盟理事長。16世紀以降の英国宗教改革神学
、現代アングリカニズム・エキュメニズム、とりわけ職制論・教会論・宣教論を中心に、それらの現代的意義と課題を研究している。
カナダ聖公会ケベック教区のブルース・マイヤーズ主教は私の長年の親友でもあり、昨年の主教按手式にもZoomでご臨席くださいました。この度、マイヤーズ主教は、ケベック教区の大斎節プログラムとして、毎主日、マイヤーズ主教と親しい世界各地の主教とのビデオ・インタビューを収録し、教区の信徒・教役者に配信されています。毎回の構成は、その主教が属する教区や国の歴史、宣教課題や状況について、また、当日の聖書日課・福音書についての黙想の分かち合いとなっています。3月14日の大斎節第4主日は、日本聖公会中部教区主教の私がインタビューに招待され、楽しい時間を持つことができました。マイヤーズ主教のご許可を得て、中部教区のウエブサイトでも共有させていただきます。英語のみで、日本語字幕はつけていませんが、私の話の内容は、日本聖公会、中部教区のみなさんは良くご存知のことばかりです。日本におけるコロナ禍の状況、教会の対応、日本聖公会形成の歴史について、またカナダ聖公会の働き、岡谷聖バルナバ教会創立をめぐる、ホリス・ハミルトン・コーリー司祭(カナダ聖公会・ケベック教区ご出身)の物語、当日の聖書日課(日本聖公会の聖書日課と箇所は異なります)のヨハネによる福音書第3章14節~21節をめぐる黙想(リフレクション)などを語っています。カナダ聖公会ケベック教区とは今後もますます深いつながりを持つことができればと願っています。コロナ禍が落ち着き、海外にも再び自由に行けるようになりましたら、私たち日本聖公会中部教区のルーツでもあるカナダ聖公会、とりわけトロント教区やケベック教区を、信徒のみなさんとご一緒に訪問する「巡礼の旅」などが実現できればと考えています。
日本聖公会中部教区 主教 アシジのフランシス 西原廉太
直前のお知らせになってしまいましたが、明日3月17日(水)9:00の主教座聖堂聖餐式は中止となります。
新主教コラムのタイトルを『麦畑』とさせていただきました。私が聖公会神学院在学中、教区のみなさまへほぼ隔月でお送りしていましたお便りのタイトルが『麦畑』でした(法用主教さまからは「毒麦」と茶化されていたのですが)。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、昨年10月24日の主教按手式において、私は日本語、英語、韓国語でご挨拶をさせていただきました。それぞれ内容は異なるのですが、韓国語で何を話していたのか、とのご質問を多数頂戴しましたので、以下にその概要を紹介します。
「私自身、今から40年ほど前に出会った韓国の聖公会、エキュメニカル青年たちとの関係において、多くのことを学んできました。中部教区も1995年に韓国聖公会ソウル教区と姉妹教区関係を締結し、深い相互交流を支援してきました。19
96年、日本聖公会は総会で『聖公会の戦争責任に関する宣言』を採択しました。その中で、戦時における日本国家の植民地支配と侵略戦争を支持、黙認した責任を認めて、その罪を告白しました。その後、日本聖公会は、韓国聖公会から多くの司祭さまたちをお迎えすることができ、日本全国で宣教活動に大きなご貢献をしてくださっています。この中部教区でも、丁胤植司祭さま、金善姫司祭さまが熱心に牧会にあたられています。これからも、ますます日本聖公会中部教区と韓国聖公会、そしてエキュメニカルで多彩な交流を深めてまいりたいと願っています」
今、日本聖公会はどこの教区においても、韓国からの司祭さま方の存在なしには宣教・牧会は不可能です。しかし、このことが実現している意味とその歴史を、私たちは常にしっかりと意識しておきたいのです。