教区間協働!? 再編!? (2)

教区制改革について考えるとき、中部教区に属するわたしたちが記憶にとどめておきたいことがあります。それは2003年に開催された第73(定期)教区会において、管区に「日本聖公会教区区域再編成検討委員会(仮称)」の設置を求め、日本聖公会総会に議案を提出する(総会代議員に付託する)ことを中部教区の意思として決議したことです。その提案理由文には、

「教区区域の再編成については、単なる組織ではなく、これからの日本聖公会の宣教ビジョンを含めた包括的な議論として進められるべきであり、…一刻も早くこの課題に着手することにより、日本聖公会の宣教の活性化を促していかなければならない」

とあり、教区制改革の目的は日本聖公会全体の宣教の活性化であることを明確に示しています。

翌2004年に開催された日本聖公会第55(定期)総会において、中部教区の総会代議員は連名で「教区制改革を推進する機関」設置の件を提出し、可決され、「教区制改革委員会」が管区に設置されました。その後、同委員会を中心に協議、研究が重ねられ、教区間協働の促進、教役者給与支援システム等が実施されるに至りますが、その延長線上に、昨年の総会で決議された「宣教協働区の設置及び伝道教区制の導入」があります。

今や日本聖公会は新たな段階へ入ったと言っても過言ではないでしょう。従来の「教区」という枠を越えて、各々の教区の歴史や伝統、慣習等の違いを尊重し合い、分かち合い、支え合い、祈り合いながら日本聖公会全体のビジョンを描き上げることが求められています。長引くコロナ禍により礼拝や集会などが制限され、疲弊感や閉塞感に押し潰されそうになりますが、このようなときこそ教区制改革について思いを巡らせ、これまで中部教区が積極的に向き合ってきたことを覚えるとともに、その意思を受け継いでいきたいと思います。

主教補佐
司祭 テモテ 土井宏純

中部教区報『ともしび551号』(2021年5・6月号)より