『聖パウロ祭』のお知らせ

2023年5月17日

主の平和   

 新緑の候 益々ご健勝のことと存じます

 6月18日(日)午前10時半からの聖餐式の後、お食事会をはさんで、午後の集まりでは、「福音を証しするために」というテーマで、ナタナエル植松誠主教様を囲んで、講話と何曲か皆で歌いたいと思います。新潟聖パウロ教会の教会創立を記念する『聖パウロ祭』も、新型コロナウイルス感染症のために自粛していましたが、今年はあまり制限なく、開催していきたいと思います。多くの皆様のご参加をお待ちしております。ご出席される方は事前にご連絡いただけると幸いです。                在主                                                

6月18日(日)10時半~    聖霊降臨後第3主日聖餐式
司式:ナタナエル植松誠主教    説教:ヨセフ石田雅嗣司祭
※聖餐式後、お食事会を行います

午後 「福音を証しするために」
語り ナタナエル植松誠主教 (前日本聖公会首座主教/北海道教区主教)  

  

日本聖公会中部教区新潟聖パウロ教会 牧師 司祭ヨセフ石田雅嗣 
電話:025-222-0474 新潟県新潟市中央区医学町通2番町74 

礼拝カレンダー2023年5月号

各地の学校や施設では新しい年度を迎えられ、そろそろ新生活も慣れた頃でしょうか。
気候が安定せず体調を崩しやすくなっていますが、皆さま体調に気を付けて引き続き過ごしてまいりましょう!
さて、5月の礼拝カレンダーが完成しましたので、お知らせいたします。ご確認よろしくお願いいたします。

※5/1修正…5/7の名古屋聖マルコ教会の聖餐式の時間を修正しました。

釘跡に連なる

 聖ミカエル保育園には2階にあるホールの奥に園長室がある。保育園にいるときは、ホールで遊ぶ子どもたちの賑やかな声を聞きながら、この部屋で過ごすことが多い。朝、昼、夕方と子どもたちが自由に出入り出来るようにしてあり、子どもたちも多い時には10人近く部屋で過ごしている。話をしてくれる子、ニコニコしながら満足そうに大人用の椅子に座っている子、不思議そうな顔をしながら部屋の中を見回している子など、様々な姿を見ることが出来る。
 ある夕方、延長の時間帯にいつものように子どもたちが園長室を襲撃しにきた。ここで、仕事はいったん休憩となる。今日は2歳児クラスの子どもたちに園長室が占拠されたぁと思いながら、ある女の児が園長室に置いてある十字架に目を留めているのに気が付いた。そして、その児が「十字架にいるのはだれ?」と聞いてきた。イエス様だよと答えると、続けて、「どうやって十字架にいるの?」を聞いてきた。おそらく、十字架にいるイエス様がどうやって十字架に架かっているのか知りたかったのだろう。十字架をその児の前に置いて、釘に打たれて十字架に架けられてしまっているイエス様の姿を見せた。「痛い、いたい」と言って釘で打たれた手と足を指さしていた。そして、暫く考えて、「どうやったら助けてあげられるんだろう、助けてあげたい」と、それも満面の笑顔で話してくれた。
 これには、正直驚いてしまった。助けてあげたいという思いに至ったことがなかったからである。振り返ってみれば、イエス様に守られながら歩んでこられた自分がいる。自分がイエス様を助けるなんて、おこがましいこととはいえ、助けるという考えにおよばなかったのは何故だろうか。助けてもらえるのが当たり前だと思っていたのだろうか。苦しんでいるイエス様から目を逸らして歩んでいたのだろうか。それとも、苦しんでいるのがイエス様だとでも思っていたのだろうか。
 この時期になると幼児虐待の母親の話を思い出す。父親が子どもに暴力を振るっている時、私は暴力を受けることはなかった。誰かの痛みの上に自分の安心が保証されている世の中になっている気もする。それは、学校や社会での苛めにも同様なことが言える。自分が助かるために苛めに加担する、また、見て見ぬふりをする。助けてと言える社会になっているのだろうか。そして、その言葉が届けられる世の中になっているだろうか。
 私たちはイエス様の十字架を通して罪から解放されて歩むことが出来ている。イエス様の十字架での苦しみや痛みのうえに自分があることをこの釘跡に目を向けてイースターを迎えたい。一人でも多くの人がイエス様の釘跡に触れ、苦しみや痛みから解放されますように祈り歩み続けたい。
 この女の児はこれを機に十字架上のイエス様に話しかけている。痛くはないの?助けてあげるからね、と。

司祭 フランシス 江夏一彰
(上田聖ミカエル及諸天使教会・軽井沢ショー記念礼拝堂牧師)

青年たちの声に聴く神の福音

 敬愛するパウロ塚田道生司祭が、去る2月9日の早朝、主のもとに召されました。90年にわたる地上でのご生涯でした。私は1987年から名古屋学生センターのスタッフとして招いていただいて以来、塚田道生先生には大変お世話になりました。私の学問や大学という場での指導は塚田理司祭であり、道生先生にはキリスト者としてのぶれない生きざまの重要性を教えていただきました。
 名古屋学生センターは信仰の観点から学生、社会への批判精神を持ち、同時に教会へも批判的でしたが、センター自身も時に厳しい批判に曝されました。塚田先生は、このように振り返っておられます。
 「批判的な人たちは学生センターが教会や聖職に批判的な青年を育て、教会の存在基盤を揺るがす不要な存在と思っていたようです。肯定的な人たちは社会問題や思想などに敏感な学生達の感性と純粋な問題提起を受け止めようとしました。〈過激派〉などの差別的な批判も沢山聞きましたが、自分を絶対化し、異質者を排除する思想は福音信仰からそれる律法主義です。未熟であっても、純真な青年の批判とそれへの応答が大切なのです。変動の激しい時代には、自由で率直な批判の声の中で神の福音を聴くことができるのです。批判と自己批判の相互作用がお互いを成長させて行きます。この相互作用に対応するためにはネットワークの繋ぎ役としての場が必要です。21世紀には、教会への批判はこれまで以上に厳しさを増すでしょう。それに応える場としての役割が広がると思います」
 塚田先生のこの言葉に触れる時に、他ならない私自身が、道生先生によって方向づけられ、育てられ、励まされていたことにあらためて気づかされるのです。
 今年の夏には、日本聖公会全国青年大会が計画されています。私たちは青年たちが発する声の中に主の福音を聴くようにと招かれているのです。

中日本宣教協働区:各教区代祷表(2023年度)

中日本宣教協働区では2022年4月より各教区諸教会を覚えて互いに祈り合うことを続けています。
各教区(横浜・京都・大阪・中部)の代祷表を掲載し、お知らせいたします。

主日礼拝の中でお覚えくださいますようよろしくお願いいたします。

中日本宣教協働区の働きの上に、愛と平和の主の豊かな祝福がありますように。

中部教区オルガニスト研修会

〈オルガニスト研修会〉のご案内
中部教区各教会の皆さま、オルガニストの皆さま


2023年3月
中部教区礼拝音楽部
協力:愛岐伝道区

 長く続くコロナ禍、礼拝も制約が多い中で、礼拝や賛美の声をしっかり支える事が出来る様に、奏楽者としての学びの時を持ちたいと思います。今回は主にリードオルガンの使い方に焦点を当てて一緒に学びます。再び、聖堂が賛美の音楽で満たされる喜びを分かち合いましょう。
研修内容
Ⅰ 礼拝におけるオルガニストの役割
Ⅱ 弾いて、聴いて、歌って、分かち合う
  1.リードオルガンで聖歌をひいてみよう
  2.新しい奏楽曲の紹介 ①≪HYMN PRELUDE LIBRARY≫ より  
              ②その他
  3. 分かち合い

※ 研修内容は昨年11月に長野で行った内容に準じます
〇 日時  4月22日(土)12時~14時
〇 場所  名古屋聖マタイ教会聖堂 (名古屋市昭和区明月町2-53-1)
〇 持ち物 聖歌集、参加費(資料代)500円
〇 講師  渋澤 博子(中部教区礼拝音楽部 長野聖救主教会オルガニスト)
 
申込締切  4月9日(日)※詳細は各教会に発送のチラシをご確認ください。

イースターのご案内

2022年4月8日(土)午後3時 聖土曜日の礼拝
 *司式 司祭 ヨハネ 相原太郎

2022年4月9日(日)午前10時30分 復活日聖餐式(ミサ)
 *司式・説教 司祭 ヨハネ 相原太郎

礼拝はどなたでも自由に参加できます。事前連絡も不要です。

人智では計り知ることは出来ず

 1890年は岐阜聖パウロ教会の設立年ですが、大垣聖ペテロ教会(以降、ペテロ教会)の基礎が築かれた年でもあります。この年、A・F・チャペル司祭らは、岐阜県各地で集会を行い、特に大垣には力を入れて講義所を設置し、後に九州教区で司祭となる本田清次伝道師が定住を開始しました。
 翌年、濃尾地震が起き、岐阜も大垣もその建物を焼失してしまいます。岐阜では仮小屋にて礼拝を再開するとともに、被災した視覚障害者の支援を開始しました。大垣では1年後の1892年に仮会堂を建て、大垣聖公会と名付けられました。
 仏教が強固な大垣での宣教には多くの困難があったようです。当時の状況について、横浜教区で従事された後に大垣に来られた田中則貞伝道師は『基督教週報』で次のように報告しています。「東本願寺派の盛りなる地とて基督教を顧るものは殆どなき有様にて、寄らず触らず敬して遠ざけると云ふ有様なれば、伝道は非常に困難なり」、「小生は房州に伝道せし時と比較すれば、殆ど無人島に居る心地せり」。
 こうした中での信徒の働きは注目に値します。「祈祷会は信者交る交る司会奨励いたし居り之は必ず10名以上の出席者有之候」「毎週2日の説教会も半ば信徒の働きといたし居り候」「毎月1回信徒の宅に於て祈祷書講義会など開き居り候」「教会へ出で渋り居る者も此集会へは喜んで出席しいたし候」。今から100年以上前の様子ですが、信徒による礼拝や集会が生き生きと行われていたことが窺えます。信徒主体の集いにこそ、ペテロ教会の礎があったと言っても過言ではありません。
 現在ペテロ教会は中部教区において人数的に最も小さい規模の教会共同体の一つです。しかしながら毎主日の礼拝を信徒が中心になって守り続けておられます。その営みは実に100年以上前から培われてきたものであるわけです。
 ペテロ教会の特筆すべき活動に「大垣市内キリスト教信徒会」があります。1971年に始まったこの会は、幅広い教派が参加しているもので、毎月各教派が持ち回りで集会を行なっています。ここでも注目すべきなのは、この会が「信徒会」の名前の通り信徒によって運営されているという点です。そしてペテロ教会の信徒はこの交わりを中心的に担ってこられました。
 ある信徒の方が、ペテロ教会の宣教開始75年目に際して次のように書いておられます。「この土地に教会を設けられて以来、厳然としてこの教会を維持し給うその大御心、御計画は人智では計り知ることは出来ず、一つの魂をもおろそかにしない神の恩寵を思うと、ただ熱い涙が袖をぬらすばかりである。」「私共はいかに年老いて目が曇っても、霊眼をぱっちりと開いていついつまでも、十字架よりしたたる血汐を見つめ、神が我ら人類に何をなし給うたかを常に考えたいものと思う。」
 ペテロ教会は、定住教役者のいない時代が長く、人数的に大きな教会となったこともありません。しかしながら信徒が主体的に教会を担っておられ、その熱い信仰が受け継がれています。そのようにして130年もの間、この地に信仰が継承されていることに、改めて神の計り知れない働きを感じるところです。


司祭 ヨハネ 相原太郎
(岐阜聖パウロ教会牧師)