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中日本宣教協働区チャプレン研修会のお知らせ
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7月26日(火)から8月8日(月)にかけて英国・カンタベリーで開催された「ランベス会議」に出席させていただきました。正式な報告は、また別途の機会にさせていただきますが、ここでは特に印象に残ったことについてご紹介します。
私は1998年、2008年のランベス会議にもスタッフとして参加しましたが、今回、驚いたのは、出席した女性の主教の多さでした。1998年は「ランベス・イレブン」と呼ばれた11人の女性の主教が参加、前回は18人、そして今回のランベス会議には、笹森田鶴主教も含めて、実に98名もの女性の主教が参加されました。もはや世界聖公会は彼女たち、女性の主教たちの存在なしにはその働きを十全にはなしえないということです。
一方で、セクシュアリティをめぐっては依然として深刻な分断がコミュニオン内にあることが浮き彫りになりました。今回のランベス会議では決議ではなく「ランベス・コール」という文書を採択する方式が採られたのですが、起草段階ではなかった同性婚を否定する1998年ランベス会議決議を裏書きする文言が最終文案に挿入されたため、米国、カナダ、ウェールズなどの聖公会をはじめとして世界各地からこのプロセスに対する批判が集中し、カンタベリー大主教は急遽、この草案から当該箇所を削除することを発表しました。ランベス会議に参加したグローバルサウスの保守派主教たちは、今回出席している同性愛を公としている6名の主教たちと陪餐の列には並べないとして、カンタベリー大聖堂での開会聖餐式では席を立たず陪餐を拒否しました。
日本においても同性愛に対する無理解とそれがもたらす差別が、キリスト教の枠組みから語られることが後を絶ちません。それぞれのセクシュアリティはカラフルなものであり、その人の存在そのものと直結している。誰一人としてその人間としての尊厳が傷つけられてはいけないことを、私たちも粘り強く語り続けていかなければならないことを、あらためて確認する機会ともなりました。
いよいよ7月26日(火)から8月8日(月)にかけて、第15回「ランベス会議」が英国・カンタベリーで開催されます。ランベス会議出席のために、教区のみなさまには温かいご献金をお献げいただきましたことに、心より感謝申し上げます。本来は2018年に開かれるべきでしたが、アングリカン・コミュニオン(世界の聖公会)内にある難題等で2年延期され、新型コロナウイルス感染症パンデミックのためにさらに2年延び、実に14年ぶりのランベス会議となります。8月23日(火)の”Bishop’s Room”や9月18日(日)・19日(月)の教区研修会などでもご報告させていただきます。
第1回ランベス会議は1867年9月24日から4日間、ロンドンのカンタベリー大主教公邸であった「ランベス・パレス」で開催されました。カナダ聖公会から、当時のカンタベリー大主教チャールズ・ロングリーに対して、世界に広がった聖公会が各地で直面する諸課題について協議するため、全世界の聖公会主教会議を招集するように要請されたことがきっかけでした。ロングリー大主教は、当時144名であった全主教に招待状を送りましたが、参加したのは約半数の76名のみでした。聖公会の重要案件は英国教会で法的に決定すべきであって、海外にいる伝道主教たちと協議する必要はないと反発したヨーク大主教はじめ多くの英国の主教たちが参加を拒否したのでした。以来、ランベス会議には法的拘束力はなく、道義的な指針を共有するものであるという性格自体は現在でも変わっていません。
その後、原則的に10年に一度、開かれることになったランベス会議は、回を重ねる毎に重みを増し、今ではアングリカン・コミュニオンにおける最重要の器の一つとなっています。前回、2008年のランベス会議には全世界の900名近い主教に招待状が送られました。私は、通訳等の補助者として、1998年、2008年のランベス会議に参加させていただきましたので、今回で3回目となります。世界聖公会の委員会等で旧知の主教さま方と再会できるのを楽しみにしています。この夏のランベス会議が無事に行われ、豊かな果実が与えられますように、どうぞお祈りください。
2020年に開催された日本聖公会第65定期総会において、日本聖公会の宣教体制強化と教区再編をはかるため、日本聖公会を3区域に分け、複数の教区で構成される「宣教協働区」が設置されたことは既に述べたとおりです。
中部教区は、横浜、京都、大阪各教区とともに「中日本宣教協働区」に属し、これまで7回にわたる協働委員会が開かれました。同委員会の役割は、区内の運営、宣教・牧会などについて協働を推進し、また教区再編について検討することです(法規第128条の2)。年内には4教区合同のチャプレン研修会が計画されていますが、そのような教区の枠を超えた様々な会合や交流会、リトリートなどがより積極的に実施されることを願っています。中部教区ではこれまでも、高田降臨教会と直江津聖上智教会が京都教区の北陸伝道区の諸教会と、豊橋昇天教会は静岡にある横浜教区の教会との交流、懇親を定期的に深めてきました。今後はもう一歩進んで、教区同士の協働へと発展できればと思います。その中で教区の再編、合併のメリットも自ずと見えてくるのではないでしょうか。
組織的観点から言えば、再編や合併により教区区域が大幅に拡がることによって、長年の懸案であった硬直化した教役者の人事配置の課題から解放され、適材適所度が格段に高まることは間違いありません。もちろん移行期の混乱や煩わしさは生じるでしょうが、その試練の先には財政面も含めてスリム化や効率化の実現が期待されます。しかし、それにも増して私が大切にしたいことは、それぞれの歴史や伝統、慣習等を尊重しながらも、一度原点に立ち返って、新たな教区の宣教の可能性について率直に話し合い、これからの教区を自分たちの意志で創り上げつつ次世代へバトンを繋いでいくことです。そのような機運が高まることを願って止みません。
宣教局教育部より、ヒューマンライブラリー紹介動画が届きました。是非ご覧ください。
立教大学・文学部キリスト教学科主催の公開シンポジウムのお知らせです。
参加費無料、定員1000人(先着順)となっておりますので、ご興味のある方は是非ご参加ください。
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主催:立教大学・文学部キリスト教学科
日時:2022年7月5日(火)18:30~20:45
開催方法:オンライン開催
対象者:本学学生・教職員・校友・一般
申し込み:事前申し込み必要
*以下のwebサイトよりお申し込みください
ウェビナー登録 – Zoom
参加費:無料
定員:1000名(定員になり次第、受付終了)
現在の世界はパンデミックからの回復を目指す一方で、世界情勢の悪化に直面し、人々の日常生活、社会のあり方に対して、新たな提言が求められている。こうした状況のなか、現代美術は多元主義的となり、その活動の場は美術館やギャラリー等の閉じられた空間を越えて、長期的かつ実効的にコミュニティに関わる芸術実践として、社会へ関与する試みが多方面で試行錯誤されている。
本シンポジウムでは、2022年7月30日~10月10日まで開催される国際芸術祭「あいち2022」をテーマとして現代美術の源流、多様な価値観について考え、地域の歴史、伝統文化、宗教的コミュニティなど過去から継承されたものを通じて、これからの未来をどう生きるかについて論ずる機会とする。
【登壇者】
森美術館館長
片岡真実(かたおか・まみ)さん
「STILL ALIVE 今、を生き抜くアートのちから」
ニッセイ基礎研究所都市開発部研究員、東京オペラシティアートギャラリー・チーフキュレーターを経て、2003年より森美術館。2020年より現職。2007~2009年はヘイワード・ギャラリー(ロンドン)にて、インターナショナル・キュレーターを兼務。第9回光州ビエンナーレ(2012年)共同芸術監督、第21回シドニー・ビエンナーレ(2018年)芸術監督、2022年7月30日開幕の国際芸術祭「あいち2022」芸術監督。2014年からCIMAM(国際美術館会議)理事、2020年より会長を務める。
愛知県美術館館長
拝戸雅彦(はいと・まさひこ)さん
「間借りする」
1991年名古屋大学文学研究科博士後期課程美学美術史専攻中退。1992年10月~2008年3月まで愛知県美術館学芸員として勤務し、2021年4月から同館館長。同館開催展「イタリア美術:1945−1995」(1997)、「戸谷成雄ー森の襞の行方」(2001)、「アジアの潜在力」(2005)、など多数企画。ルイジペッチ現代美術館(プラート市、イタリア)開催の日本現代美術展「先立未来(2001)、ソウル市立美術館開催「city_net_asia」(2006)のキュレーションにも関わる。愛知県がトリエンナーレの事業を立ち上げた2008年から9年間、当芸術祭推進室主任を務め、あいちトリエンナーレ2010、2013、2016チーフキュレーターとして従事。
現代美術作家
奈良美智(なら・よしとも)さん
「普遍的なるもの」
1987年愛知県立芸術大学大学院美術研究科修士課程修了。1993年デュッセルドルフ国立芸術アカデミー修了(Meisterschüler)。2000年までドイツを拠点に活動後、帰国。1995年名古屋市芸術奨励賞受賞、2010年ニューヨーク国際センター賞
受賞、2013年芸術選奨文部科学大臣賞受賞。主な個展「I DON’T MIND, IF YOU FORGET
ME.」(2001~2002、横浜美術館他、巡回)、「Nothing Ever
Happens」(2003~2005、クリーブランド現代美術館他、巡回)「君や 僕に ちょっと似て
いる」(2011~2012、横浜美術館、青森県立美術館他、巡回)「for better or
worse」(2017、豊田市美術館)、「Yoshitomo
Nara」(2021~2022、ロサンゼルス・カウンティ美術館)他、多数。ニューヨーク近代美術館、ロザンゼルス現代美術館をはじめ国内外の美術館にコレクション多数。
立教大学総長・日本聖公会中部教区主教
西原廉太(にしはら・れんた)さん
「キリスト教神学の視座からの応答」
立教大学文学部キリスト教学科教授
加藤磨珠枝(かとう・ますえ)さん
「シンポジウム趣旨説明」