礼拝カレンダー2025年11月号

宣教150周年記念行事も終わり、今は教区会に向けて準備を進めています。
今朝の聖堂の気温はエアコンをつけて20℃でした。信越の教会ではストーブが付き始めるじきでしょうか。皆さま、できるだけ体温調整のできる服装で教会にお越しください。

150周年記念・シンポジウム動画のお知らせ

2025年、中部教区は宣教150周年を迎えました。

先にアップロードしたZoomシリーズ①~③を踏まえ、カナダから来られた宣教師の思いと、現代に続く信仰のすがたを知っていただきたいと思います。

西原廉太主教(中部教区)とリンダ・ニコルス主教(前カナダ聖公会主座主教)とが語り合う、1時間10分の動画です。

動画の下部に書き起こし原稿もございますので、合わせてご覧ください。
(※原稿ファイルの文言を一部修正いたしました。)

シンポジウム「カナダ聖公会から中部教区への贈り物ーアングリカニズムと社会に向けられたまなざしー」

150周年記念のつどい・Zoomシリーズ動画のお知らせ

2025年中部教区は宣教150周年を迎えました。

この記念すべき年に、中部教区のこれまでを振り返り、現在地を確認し、未来に向けて『裸足の宣教』の道を歩みだすためのZoomシリーズが1月、3月、5月に開催されました。

この度、講演会部分の動画が完成しましたのでZoomシリーズによるお話しを是非ご覧ください。

第1回:A.C.ショー司祭(語り手:江夏一彰司祭)
第2回:J.G.ウォーラー司祭(語り手:大和玲子司祭)
第3回:マーガレット・ヤング宣教師(語り手:後藤香織司祭)

主イエスの足元に集い(中部教区宣教150周年の記念礼拝を準備しながら)

 いよいよ、10月12日(日)~13日(月・休)に、中部教区宣教150周年記念礼拝が献げられます。
 礼拝準備チームでは、神様への献げものである礼拝をどう準備するかについて検討してまいりました。150周年を迎える祈りを作成して、年の初めから皆さんに呼掛けて、一緒に祈っていただき、今に至りました。大きな骨組みと言えば、改正祈祷書(試用版)を用いることでした。これまで管区の祈祷書改正委員会が中心になって進めてきた、改正作業の成果を取り入れようという判断からでした。慣れていない新しい言い回しや数多くの祈祷文の選択肢の中から私たちは「150周年に相応しいあなたの御心をください」という祈りを献げながら臨みました。
 礼拝と言えば、集う一人ひとりが心はもちろん、各自の物語(信仰の歴史)を持って神の御前に立つ(イエス様の足元に集う)ことです。各自と各教会や伝道区、そして関連施設を通して、神様の導きの物語が生きていて、信仰の証しが語られる礼拝が献げられたら嬉しいという思いを大事にしながら今日を迎えることが出来ました。宣教師・教役者・信徒さん、先達の方々のお働きがイエス様と共に今も私たちと一緒に呼吸するイメージを描いての礼拝をみなさんと共に献げられることを期待しています。
 夕の祈りではまず、教区内のこどもたちの活動を画面で紹介します。こどもたちや皆が制作した灯り(ランプ)から光を受けて、主の導きのうちに礼拝を始めます。その後、説教の代わりに中部教区の歴史を短く振り返って黙想をする、という進行を考えています。
 感謝聖餐式では英国や米国、そしてカナダ聖公会の伝統を受け継いだ上に、大韓聖公会やフィリピン聖公会との交流があっての中部教区であることを表す為の要素も考えています。それに、教区内の各教会の信徒さんで結成された聖歌隊と豊かな楽器が調和を作る礼拝になることを希望しています。
 中部教区は2001年10月7日~8日に、中部教区フェスティバル「平和への巡礼in 21」を名古屋で開催しました。特に、ユースコーディネーターさんの多大な尽力もあり、青年たちが中心となって教区の全教会をまわった十字架の巡礼のこと、そして「古今聖歌集増補版 ’95」の全聖歌を録音した事を思うと胸がいっぱいになります。毎週土曜日、名古屋聖マルコ教会に集い、クッキーを作り、交通費を備えては十字架を背負って各教会を訪ねました。ところが、私たちは記憶の中でのみ、「確かにそういう時もあったな~」と回想する寂しい終わりにはしたくない想いもあるかと思います。
 あの時から既に二十数年が経ち、私たちはもう一つの節目を迎えています。あっという間に時間が流れ、気づいてみたら大変な局面に向き合っている現実を通して、私たちが挙げたキーワードは「裸足の宣教」です。
 イエス様が、掲げられていた十字架から降ろされ、血まみれになって命をも落とされたまま、お母様に抱かれて、まさしくすべての希望がオールストップしたような寂寞感に満ちていた時を聖書は私たちに伝えています。そうであったからこそ、亡くなったイエス様の足元に集まった極めて少数の人たちが居て、その少数の人たちを通して十字架の救いの道が開かれた事を覚えたいと思います。

司祭 イグナシオ 丁 胤植
(名古屋聖マルコ教会牧師)

御巣鷹山で生涯を終えた親友との「再会」

 この8月末、私が理事長をつとめているキリスト教学校教育同盟の協議会が、京都にある同志社高校を会場にして開催されました。同志社高校は、何と言っても私の母校です。1981年に卒業して以来、周囲を車で回ったことはあったのですが、学校の中に入るのは、卒業以来の実に44年ぶりのことでした。
 協議会は、同志社高校のチャペルで行われましたが、高校生当時、私はまだ洗礼も受けておらず、毎朝の礼拝欠席多数で校長訓戒まで受けたという不届き者でしたので、そんな私が高校チャペルの壇上でご挨拶をしているのも、何とも不思議なことでもありました。
 2010年に校舎などが全面的に改築されたので、懐かしい建物はほとんどありませんでしたが、体育館の壁面に、「四方秀和MEMORIAL」という銘板を発見した時は、胸が揺さぶられました。四方秀和君は、私の同志社高校3年A組の同級生で親友でしたが、1985年の御巣鷹山、日航ジャンボ機墜落事故で亡くなりました。22歳の若さでした。東京の知人に会いに出かけた帰りで、初任給で買ったチェックシャツ姿のまま発見されました。
 「息子の名前をつけた奨学金をつくって、後輩の子が息子のように楽しい高校生活を送る後押しがしたい」というご両親の思いを、私たちのクラス担任であった先生が受けとめられ、ご両親からの寄付金をもとに、1991年、四方秀和君の名前を冠した奨学金がつくられました。「四方秀和MEMORIAL」として、今もこうして彼の名前が同志社高校の中に刻まれていること、そして彼の死後ちょうど40年を経た記念の時に、彼の名前と再会できたことに、思わず落涙してしまいました。
 私たちが、「逝去者記念の式」で祈るように、「世を去った者」と「今なお世にある者」は、このようにして確かに結び合わされているのだと、あらためて告げられた瞬間でもありました。

礼拝カレンダー2025年10月号

9月も残すところあと4日となりました。10月はいよいよ中部教区宣教150周年記念礼拝が開催されます。各地変更箇所が多くございます。礼拝カレンダーをご確認になり是非過ごしやすい秋を満喫しつつ教会にお出かけください。

※9/26修正・・・10/26稲荷山諸聖徒教会を修正しました。

礼拝カレンダー2025年9月号

毎日暑い日が続きますが、朝晩は風が通るようになってきました。
皆さまのお住いのエリアではいかがでしょうか?
9月号の礼拝カレンダーが完成しましたので、お知らせいたします。

8/28修正…9/6長野聖救主教会、稲荷山諸聖徒教会、9/28稲荷山諸聖徒教会を修正しました。

「宣教開始150周年記念聖餐式」のお知らせ

2025年8月19日

主の平和   

 初秋の候、益々ご健勝のことと存じます

 「1875年10月20日は、英国教会宣教協会が新潟の地で宣教拠点を開始した日として記録されるであろう」とするファイソン師の直筆の書簡が見つかったことから、10月20日を新潟聖パウロ教会宣教開始記念日とし、直近の主日である10月19日(日)に新潟聖パウロ教会宣教開始150周年記念聖餐式を開催します。150周年記念事業として、教会前に「宣教師P.K.ファイソン師 イザベラ・バードゆかりの地」として案内板を設置しますが、これに関連して、午後には「ファイソン師の新潟における宣教(仮)」として講演会を開催いたします。多くの皆様のご参加をお待ちしております。     在主

                   記

2025年10月19日(日)10時半~ 聖霊降臨後第19主日聖餐式
司式・説教:サムエル大西修主教

午後 「ファイソン師の新潟における宣教(仮)」
講師:トマス大関達也兄(新潟聖パウロ教会信徒)

日本聖公会中部教区新潟聖パウロ教会
牧師 司祭ヨセフ石田雅嗣 
電話:025-222-0474
新潟県新潟市中央区医学町通2番町74 

祈祷書の「特祷」とは?

 「特祷」は、英語では「コレクト(collect)」と呼ばれ、カトリックでは「集会祈願」、ルーテル教会では「つどいの祈り」などと呼ばれており、広くキリスト教諸教派で用いられている短い祈りです。もともとは「祈りを一つに集める」という意味を持ち、司式者が会衆を祈りへと導くための祈りとして位置づけられています。とくに聖餐式では、式の最初の部分(「開式」)を締めくくる重要な祈りです。司式者は、「祈りましょう」という招きの言葉に続きその日に固有の特祷を唱え、会衆は最後に「アーメン」と唱えることで、これをともに祈ります。こうして、その日の礼拝に参加者皆が「集められる」のです。
 第一祈祷書を編集したクランマーは、当時イングランドで用いられていたセーラム典礼からラテン語の特祷を英訳して採り入れたほか、いくつかの新しい祈りも加えました。その流れは今に続き、世界各地の聖公会で独自の特祷が用意されており、総数は千を超えると言われます。
 かつての祈祷書には、特祷と共にその日の使徒書と福音書も記されており、これらのつながりが明確でした。しかし、現在世界の聖公会で主流となっており、日本聖公会でも90年祈祷書から採用されている3年周期の聖書日課では、各年の日課ごとのつながりが薄く、すべてを特祷と重ね合わせることは原理的に困難です。大韓聖公会など、各サイクルごとに毎主日3種類の特祷を用意している例もありますが、今回の祈祷書改正では、これは今後の課題とし、従来通り1主日1特祷を基本としています。
 今回の改正案では、降臨節第1主日から三位一体主日までの特祷は、福音書の主題や期節の信仰的意味が反映されるよう配慮しました。一方で、聖霊降臨後の期節、いわゆる「特定」の期間は、日課が準継続朗読の原則で選択され、明確なテーマが設定しづらいため、聖餐式の導入部分を締めくくる祈りとしての機能に重きを置いています。
 内容面では、長年親しまれてきた伝統的な祈りも残しつつ、一方では助けや危難からの救いを願う内容の祈りが多く見られたところに、現代社会に応答する視点から、宣教・創造・命・平和と和解といったテーマを取り入れた新しい祈りを、バランスに配慮しつつ加えています。たとえば、8月には平和に関する祈りを、11月には聖徒の交わりや逝去者を覚える祈りを置き、期節の流れと信仰生活とをつなぐ構成としています。
 言葉の面では、堅い感じを与える漢語表現を可能な限り和語に改め、また神学用語を直接祈りの中で用いることも極力避けました。読みやすさを大切にする一方で、祈りとしての豊かさを損なわないよう慎重に言葉を選んだつもりですが、このあたりは試用してみてのフィードバックをお待ちしたいところです。
 特祷ひとつ取っても、それが形となって新祈祷書に収録されるまでには厖大な労力が必要です。また、祈祷書に記された言葉は、それが私たちの口を通して祈られてこそ、「生きた祈り」となります。新しい祈祷書を形にする働きのためにお祈りをお願いしつつ、それを実際に試用してみることを通して、私たちの信仰と礼拝が豊かにされることを願っています。

司祭 ダビデ 市原信太郎
(松本聖十字教会管理牧師 東京教区主教座聖堂出向中)