『マリア・ワルトルタ』

わたくしは、マリア・ワルトルタが書いたイエス様についての書物を知ると、人生は3倍豊かに成る、と勝手に思っています。
『マグダラのマリア』 あかし書房からの抜粋で、マリア・ワルトルタをご紹介します。
1896年、南イタリアのカゼタで、愛情あふれる父と、きびしく変わった気質の母親のもとに生まれる。母の干渉で結婚話が2回とも実らず、愛することなしに生きることが考えられなかった彼女は人間の愛情のはかなさを知って、最大の愛である神に至ることになる。
1917年、第一次世界大戦時にボランティアで看護婦になり、フィレンツェの軍病院で 「下級」 兵士の世話をして献身的に働いた。
1920年、突然、後からついてきた子供に、ベッドからとった鉄棒で力いっぱい背中を打たれるという事件に遭い、それから心身ともに苦しむこととなる。1934年からはもうベッドから起きることはなく、死ぬまでの28年間、病人生活を送る。
病床の間、「神と人なるキリストのポエム」 という、ノート1万5千ページにもわたる原稿を何の推敲もなく、わずか数年の間にしたためる。
この著作について、彼女は 「天から与えられたヴィジョン」 によるものであって、自分は神の手の 「ペン」 または 「道具」 と言い続けた。
1961年、65歳でこの世を去る。
彼女の著作では、イエス様の生涯、すなわち聖書の福音書が映像のようにあざやかによみがえり、人物が語り、現代人に改めて生き生きとした福音を聞かせてくれる。その仕事は自然的に説明できないものであるともいわれる。
「素晴しい本」、「最高の輝き」、「美しい奇跡の本」、「全人類が読むべき本」 とあらゆる賛辞が寄せられる10冊の本はわたくしの宝です。
マリア・ワルトルタ描くイエス様は長身、ブロンド、空色と言うか、サファイア色の瞳、声はバリトン…と詳しく、白や水色の着物などのファッションも細かいので、目の前3メートルにイエス様がいるかのようです。ペトロ、聖母マリアに詳しいだけでなく、イスカリオテのユダが生き生きと描かれます。
神様のお名前はヤーヴェと発音され、マグダラのマリアはマルタとマリアのマリアだとか。一部をご紹介しましょう。
「露の最も小さい一滴にも、その存在のよい理由がある。最も小さい、うるさい昆虫の一匹にも存在するよい理由がある…神経をいらだたせて衰弱させ、この世での一日を苦しくする様々の疑問に打ち勝つための秘訣は、神が知恵深く、または、あるよい理由のために全てを行うと信じ、神が行っていることすべて、人を苦しめるための愚かな目的のためではなく、愛のためであると信じることである」 読むだけで恵まれます。感謝
司祭 ビンセント 高澤 登
(飯田聖アンデレ教会協力牧師)