管理を委嘱されて

 中部教区の皆さま、この度、10月までの半年余りの間、中部教区の管理を仰せつかった入江です。どうぞよろしくお願いいたします。
 昨年11月の中部教区定期教区会での主教選挙で西原廉太司祭が選ばれ、中部教区の皆さま共々、3月の按手・就任式を喜びのうちに待っておりました。
 ところが、思いも寄らず、新型コロナウイルスの感染が広まり、按手・就任式は5月2日に延期となりました。そして、それに伴い、首座主教より管理を委嘱されました。
 当初は4月から5月2日迄の1か月ということで、委嘱をお受けしました。
 ところが、その後、感染はますます拡大し、主教按手・就任式は10月24日まで再度の延期ということになり、正直、少々戸惑いましたが、既にお受けしたことでもあり、引き続き10月までご一緒させていただくことにいたしました。
 さて、私の出身地は横浜なのですが、実際に生まれたのは長野県の小布施です。母方の実家が小布施にあり、母は里帰りをしてそこで私は生まれました。
 小学生の頃、夏休みに帰省ラッシュの中、上野駅で何時間も列車を待って小布施を訪れたことを覚えています。
 戦後は、伯母が当時の新生療養所で看護師をしていたこと、カナダから来られていた医師のことなどを母から繰り返し聞いています。
 久保田純一司祭は叔父に当たり、飯山復活教会に赴任していた頃、毎年、夏休みに1週間ほど従妹とそこで過ごしたもので、その頃、司祭館の縁側にはたくさんのクルミの実がありました。
 そのような懐かしい中部教区の管理を仰せつかり、教会をお訪ねする機会を楽しみにしていたのですが、ウイルスの感染は未だ収束に至らず、中部教区でも皆さまがいっしょに集まって礼拝をささげることができない状況が、なおしばらくは続くようです。
 そうした中で、皆さまがそれぞれの場所で心を合わせて祈りをささげ、み言葉に聞くことは、改めて私たちの信仰生活にとって大切なものとなっています。
 教役者はそれぞれ遣わされている教会で、主日を含めて日々の定時に礼拝をささげていますが、信徒の皆さまも、離れていても祈祷書と聖書を開き、一緒に祈りの時を持つことによって主にある豊かな交わりを保つことができると思います。
 その時はぜひ声に出して祈りをささげ、また聖書のみ言葉を読んでみてください。静かに黙読されてももちろんよいのですが、目で読み、それを声に出してその声を耳で聞くことで、一つ一つの祈りやみ言葉がよりいっそう確かなものとなって心に留まっていくことでしょう。
 困難な時ほど人間の本当の姿が現れます。このような時こそ、私たちが常に祈り、そして聞いたみ言葉に忠実に歩み、互いの痛みに心を砕き、他の人びとと共に助け合い支え合って、このような困難をご一緒に乗り越えて参りましょう。
 新主教の誕生までの間、どうぞご一緒ください。
 皆さまの上に、主の慰めと励まし、そして導きと御守りが豊かにありますようお祈りいたします。

管理主教 イグナシオ 入江 修
(横浜教区主教)