”神に信頼をおく”

大斎節も残り少なくなりました。主イエス様の十字架、そして、ご復活を深く黙想しつつ残りの大斎節を過ごしてまいりましょう。
わたしたちの信仰生活はいつも平穏無事というわけには残念ながら行きません。些細なことでも信仰生活を脅かす困難さは必ずあるものです。そんな時、神様は必ず良い道を備えてくださると信じていても、時には神様に弱音を吐いたり、不安になったり、愚痴を言ったり、疑ったりしてしまうのです。それがわたしたちの信仰生活の現実です。
「コリントの信徒への手紙二」の中でパウロは、福音宣教のために被った苦難があまりにも激しかったので、「生きる望みさえ失い、死の宣告を受けた思いだった」と記し、「それで、自分を頼りにすることなく、死者を復活させてくださる神を頼りにするようになりました」(1・9)と書いています。
パウロがそれまで神様を頼りにしていなかったわけではないでしょうが、彼のような信仰の持ち主でも想像を超えた様々な苦難に遭遇したときには死の不安に駆られてしまうのです。しかし、彼は続けて言います。「神は、これほど大きな死の危険からわたしたちを救ってくださったし、…これからも救ってくださるにちがいないと、わたしたちは神に希望をかけています」。
パウロは自分たちがいかに大きな危険に晒されてきたか、しかしそんな時でも神様はいつも救ってくださったではないか、これからも救ってくださらないはずがない、と神様への信頼を確認し、福音宣教への思いを強くしているのです。
信仰が揺らぎそうになった時こそ神様に信頼をおいて信仰生活を送ってまいりましょう。神様はどんな時でもわたしたちに最も良い道を備えてくださるのです。
ご復活の祝福をお祈りいたします。