「第59総会を終えて思うこと」

日本聖公会第59(定期)総会が終わりました。24の決議がなされましたが、その中に「原発のない世界を求めて」という声明を採択する件がありました。昨年の東日本大震災以降、日本のキリスト教各教派から原発事故に関する声明が出されています。日本聖公会でも『原発事故と放射能に関してのワーキンググループ』が設置され、原発問題に関して協議をして来ました。今回の声明はこのワーキンググループが原案を作成し、主教会が最終的に検討し提出されたものです。

この総会において日本聖公会は原発を撤廃することを決議しました。原発の全面撤廃については様々な課題や意見があり、一朝一夕に解決する問題ではありません。しかし、原発事故によって多くの人々のいのちや生活が脅かされています(動物や自然も)。この現実を前に日本聖公会としての原発問題に対する態度表明が求められているのです。

原発撤廃のためにどのような具体的な段階を経なければならないのかは引き続きワーキンググループでも検討していくことになるでしょう。同時に、わたしたちの生活様式の転換も求められています。重い課題ではありますが、この決議を受け止めてまいりましょう。

この総会では沖縄教区の主教選挙が行われる予定でしたが、候補者の推薦がなく、結局選挙は行われませんでした。今後のことは主教会に委ねられました。私は議員や代議員の方々がこの結果を冷静に受け止めたように感じました。異常な事態ではありますが、沖縄教区、そして、日本聖公会にとっての何か新しい変化の兆しかもしれません。聖霊は何かを『禁ずる』こともあります。ただし、それは更に別の良い方向へと私たちを導くためであることを信じます。