「保育園を考える」

 このところ教区内の幼稚園・保育園では国の“子ども・子育て支援新制度”の施行が迫り、“施設型給付”制度に移行するのか、従来の“私学助成”に留まるのか、なかなか明確な方向が見い出せず苦慮しています。国の方向がしっかりと定まっていないことにも起因しているようです。いずれにしても、子どもたちにとって、園にとって最良の選択は何なのかを考えながら最終的な結論に向かうことと思われます。
 その話し合いの中でふと気になったことがありました。それは保育園(所)に対する理解です。保育園は子どもを預かり、遊ばせ、食べさせ、お昼寝をさせて返すだけと思っている方がおられるようです。保育園は「保育所保育指針」に基づき、養護と教育を一体的に行い、保育に欠ける子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を図り、家庭や地域の様々な社会資源とも連携を図りながら、保護者に対する支援や地域の子育て家庭に対する支援等を行う役割を担っている施設です。従いまして、保育園は子ども・家庭・地域の三者と大変深い関わりを持っているのです。なおかつ、女性の積極的な就労推進のための役割も果たしているのです。また、教会の宣教的な働きにも大きく関係していると言っていいでしょう。
 保育園は子どもの大切な成長を幼い時から見守り、支援し、合わせて家庭や地域とも連携を取りつつ社会に奉仕する場なのです。0歳で入園した子どもがはいはいをし、言葉をしゃべり、歩きはじめ、友だちと人間関係を作りつつ、成長して卒園していく姿を見ることほど感動的なことはありません。保育園はただ子どもたちを遊ばせているだけではないのです。
 かつて保育園に関わった者として一言書かせていただきました。