ちょうど2年前の4月9日に長男を亡くした直後、 長野県に住んでおられる敬愛する婦人信徒の方から、 弔文に添えて、 新井満の【千の風になって】の写真詩集とCDが送られてきました。 最近ではテノール歌手秋川雅史が歌うこの歌がブレイクしているようですが……。
「私のお墓の前で 泣かないでください そこに私はいません 眠ってなんかいません
千の風に 千の風になって
あの大きな空を 吹きわたっています 秋には光になって
畑にふりそそぐ 冬はダイヤ
のように きらめく雪になる
朝は鳥になって あなたを目覚めさせる 夜は星になって
あなたを見守る
私のお墓の前で 泣かないでください そこに私はいません 死んでなんかいません
千の風に 千の風になって
あの大きな空を 吹きわたっています」 (原詩/作者不明日本語詩 新井満/講談社 『千の風になって』)
この詩を読み、 CDを聴いたとき、 ご復活され、 今も私たちのうちにおられ、 共に働いておられるイエスさまを、 より身近に感じることができました。 それと共にヨハネによる福音書20章11節以下の記事がふっと浮かび上がってきました。
イエスさまのご復活された週の初めの日の朝、 マグダラのマリアは墓の外に立って泣いていました。 墓の中には白い衣を着た二人の天使が座っていて 「婦人よ、 なぜ泣いているのか?」 と尋ねました。 マリアは答えます。 「主が取り去られ、 どこに置かれているか分かりません」 と。 こう言いながら後ろを振り向くとイエスさまが立っておられ、 それに気付かないマリアにイエスさまは 「婦人よ、 なぜ泣いているのか?だれを探しているのか?」 とお尋ねになりました。 それが園丁だと思ったマリアは、 亡き骸を引き取り、 葬りたいのでその場所を教えてほしいと頼みました。 イエスさまが 「マリア」 とお呼びになりました。 マリアは初めてイエスさまに気付き、 「ラボニ (先生)」 と答えたのです。 そしてイエスさまはマリアにご自分が父である神のもとへ上ると言われました。
墓にとらわれ、 墓の中にイエスさまを探そうとするマリアに、 イエスさまは 「私のお墓の前で 泣かないでください そこに私はいません 眠ってなんかいません 私はよみがえったのです」 とお語りになられました。
その日の夕方、 イエスさまは弟子たちが集まっている家に復活のお姿を現わされ、 彼らに息を吹きかけて言われました。 「聖霊を受けなさい」 と。
聖霊は神の息、 息吹きです。 聖霊は風です。 ご復活されたイエスさまは聖霊の風になって、 私たちの中に、 私たちと共に、 いつも一緒にいてくださるのです。
「私のお墓の前で 泣かないでください そこに私はいません 眠ってなんかいません 私はよみがえったのです 聖霊の風に、 聖霊の風になって あなたたちの中を 吹きわたっています。 そしてあなたたちといつも繋がっているのです」 と。
復活されたイエスさまが、 私たちにそのように呼びかけていらっしゃるのではないでしょうか。 ハレルヤ!
司祭 サムエル 大 西 修
(名古屋聖マタイ教会牧師)