洗礼による陪餐

 6月、日本聖公会総会が開かれ、祈祷書の一部改正が可決されました。これにより、堅信前の陪餐が可能になります。施行は2017年1月1日の予定です。施行までに主教会教書や具体的なガイドラインが準備されます。

 この決議により、堅信を受けなくても洗礼による陪餐が可能になります。これは、堅信は必要なく洗礼を受ければ陪餐できるという単純なことではありません。今回の決議は救いにおける洗礼の重要性(十全性)を再確認するものでもあります。わたしたちは洗礼によってキリストと共に死に、キリストの新しい命に生き、キリスと一体とされます。ですから、キリストの命に生きる者がキリストの聖餐をいただくことは極めて当然のことなのです。その点をしっかり認識しなければなりません。

 では堅信は必要ないのでしょうか。全くそうではありません。洗礼を受けキリストの聖餐にあずかった者は堅信の恵みにもあずかり、聖霊によって強められ、キリスト者としてこの世界に派遣されて行くのです。堅信は陪餐の前提ではありませんが、わたしたちがキリスト者としてこの世界で福音宣教の務を担っていくために必要な恵みの式なのです。ですから、可能な限り洗礼と堅信と陪餐が同時に行われることが望ましいのです。

 また、堅信前の陪餐のためには準備も必要になります。イエス様の体と血をいただくのですから相当の準備と自覚を持って聖餐にあずからなくてはなりません。必ずしも「洗礼即陪餐」ということではないのです。子供の場合には初陪餐の年齢の目安も必要になります。また、洗礼は受けたが堅信はまだの成人の信徒も十分な準備ののち陪餐ということになるでしょう。そのような課題への対応を明確にしつつ施行へと進んで行くことになります。