この夏の参院選では憲法改正が争点の一つになるようです。選挙の結果、参院でも与党が三分の二以上の議席を確保すると憲法改正が現実味を帯びてきます。この場合の改正案は言うまでもなく自民党案です。主な改正内容は以下の通りで、改正されたら概ねこうなります。
◎天皇は「象徴」から「元首」に。◎「自衛隊」は「国防軍」に。現憲法9条の事実上の有名無実化。(いずれ徴兵制もあるでしょう。) ◎「家族が互いに助け合う」ということまで憲法に明記されます。余計なお世話ではと思うのですが。◎憲法の改正は現行の「三分の二以上の国会議員の発議で国民投票に」から「過半数の国会議員の発議」でよくなります。時の為政者の意思で簡単に憲法が変えられてしまう可能性が出てきます。◎憲法の厳守義務を負う者は現在、「天皇と国会議員及びすべての公務員」(立憲主義)ですが、今度は国民も憲法尊重義務を負うことになります。お前のところは家族が助け合っていないから憲法を尊重していないと言われるのでしょうか。◎個人の自由・表現の自由には〝公益や公の秩序に反しない〟という縛りがかけられます。旧大日本帝国憲法の「臣民は(帝国の)安寧秩序を妨げない範囲で信教の自由を有す」を思い起こさせます。公益や秩序を乱すのを判断するのは誰でしょうか。◎宗教的なことでは、地鎮祭は宗教行事ではなく社会的儀礼・習俗的行為とみなされ玉ぐし料の公費支出も認められてしまいます。
憲法は本来、国家(政治)を正しく治めていくために国や地方の政治に携わる者が守るべき法律であり、国民を縛るためのものではないはずです。このような改正(悪)は国家に国民を隷属させようとすることに他ならないのです。