内閣総理大臣 安倍 晋三 様
法務大臣 谷垣 禎一 様
死刑執行に断固抗議します
本日、大阪拘置所において川﨑政則さんに対して死刑が執行されました。第2次安倍政権発足後、9名にのぼる執行となります。極めて遺憾であり、死刑執行に断固として抗議します。
死刑制度の存置が犯罪抑止力にならないことは統計上からも明白であります。また、足利事件、志布志事件、東電OL殺人事件、そして先ごろの袴田事件など冤罪事件が続発しており、今もなお、名張毒ぶどう酒事件など、冤罪を訴え続けている死刑囚がおります。ひとたび死刑が執行されれば、取り返しがつきません。
国際的に、死刑制度は廃止される傾向にあり、世界で死刑を廃止または停止している国は140か国に上ります。OECD(経済協力開発機構)加盟国(34か国)の中で死刑制度を存置している国は、日本・韓国・アメリカの3か国のみですが、韓国とアメリカの18州は死刑を廃止または停止しており、死刑を国家として統一して執行しているのは日本だけです。
私たちは現在、死刑の判決後キリスト教の信仰を受け入れ、受洗した死刑囚と共に信仰生活を送っております。また、これまでに、自分の犯した罪に真摯に向き合い、「生きて罪を償いたい」と贖罪の日々を送っていた5名の同宗の友を、死刑の執行によって奪われました。私たちの、死刑制度廃止を求める願いには切なるものがあります。
私たちは、神より与えられたすべての人の生命と尊厳、そして人権を守るキリスト教信仰にたって、一日も早い死刑制度の廃止を訴えます。谷垣法務大臣には、是非とも多くの死刑制度廃止を訴える私たち国民の声に耳を傾け、内閣及び国会の場において、死刑制度廃止に向け努力されますように、また、その法改正がなされるまで、決して死刑の執行をしないよう強く要請致します。
2014年6月27日
日本聖公会中部教区・宣教局社会宣教部