少し前の日曜日の夜、「仁(じん)」というテレビ番組を観ました。「南方仁(みなかたじん)」という若い医師がタイムスリップして現代から幕末時代に行くという物語です。たまたま観ていたのですが、ある場面で主役の「仁」先生が、「神は乗り越えられる試練しか与えない。」と言うところがありました。あれ、聖書にそんな言葉がなかったかなと思いましたら、コリント一の10章に、「神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、…」という個所がありました。坂本龍馬も登場しますが、龍馬が暗殺され、落胆している主人公に、「わしゃ、先生と共にいつまでもおるぜよ。」と龍馬が語りかける場面もありました。イエス様が弟子たちに、「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」と言われたお言葉と何となく似ているように思いました。
作者は聖書を読んでいるのだろうか、それともクリスチャンなのかなと思い、それから最終回までの数回を観てしまいました。全くのフィクションですが、ひょっとしたらこんなことがありうるのかなと思わせるような面白さがありました。原作は漫画なのですが、原作者がこんなことを言っています。「漫画はフィクションですからウソをつくんですけど、ウソをつく上で、本当のことで調べられることはできるだけ調べてからウソをつきたいですね。よりリアリティを出してウソを本当のように描いて読者を驚かせたいんです。」面白い背景にはそういう努力があるのだと知らされました。
同時に、わたしたちは福音を本当にリアリティをもって語っているのか、また、福音の持つリアリティの中で信仰生活をしているのか考えさせられました。