「カナダからの手紙」

昨年10月、教区成立100周年でフレッド・ヒルツ大主教に同行されたポール・フィーリー大執事からその後お手紙をいただき、今回の訪問についての思いを教区の皆様にも伝えてほしいとのことですので短く、意訳でその内容をお伝えします。

今回の訪問は自分の生涯において大変感動的であり、こんなにも真実な愛に満ちた恵み深いもてなしを受けたことはない。大主教と私は日本の教会の様々な面を見ることができた―大聖堂での力強い100周年礼拝、津波の被害地での幼稚園児の顔、各教会及び病院の様子、自動車での移動、美しい自然、日本の伝統的・近代的なもの等々。
たくさんおみやげをいただいたが―それは自分にとって宝物である―、それ以上に日本のキリストにある兄弟姉妹が行いと祈りによって生活の中で福音を証ししていることが自分の心の中に忘れることのない思い出となっている。カナダに戻ってから日本での「物語」を語り始めている。先日の聖餐式の説教で、震災の時園児を救うために命を落とした幼稚園教諭の中曽順子さん(磯山聖ヨハネ教会信徒)のことを語った。会衆は身じろぎ一つしないで説教に聞き入り、涙を流していた。
この訪問が自分の人生とキリスト者としての旅においてどれだけ意義深いものであったかは言葉では言い表せない。自らの信仰を語ってくれた人々の喜びの顔は希望と愛の模範を私に与えてくれた。カナダ人は日本に福音を伝えた宣教師であったが、今回は皆さんが私たちに神の愛を教えてくれた宣教師であった。ヘンリー・ナウエンは「イエスを愛しなさい。そして、イエスが愛したように愛しなさい」と書いているが、皆さんがこの言葉通りのことをしてくれた。“非常に多くの愛とおもてなしをありがとうございました”(日本語)。