先日、名古屋柳城短期大学の講演会があり、元プール学院教師の小池宣郎氏のお話を伺いました。内容は、かつて柳城にあった、CMSの女性教役者養成機関である“聖使女学院”のことでしたが、わたしが興味深かったのはそのお話の中に“中部地方部設立の動き”という項目があり、カナダ聖公会最初の宣教師として名古屋に来られたロビンソン司祭のレポートが掲載されていたことです。教区成立の背景の一端を垣間見ることができました。
当時の中部教区は南東京地方部に属していました。南東京地方部は英国人主教の管轄下にありましたので、当然、教会行政においては英国人に主導権があったようです。ロビンソン司祭はカナダ人主教の下でもっと直接的にカナダの教会が日本伝道に関わることができたら、日本の教会にとってもカナダの教会にとっても大きな助けになるだろう。カナダ人宣教師は長年にわたって日本で宣教に携わっているのだから自分たちの教区を持つことに十分成熟しているのだと記しています。
そのような思いはカナダ人宣教師すべての思いでもあったようです。長野のウォーラー司祭も「日本におけるカナダ人の伝道」の中で、自分たちの教区を持つことを強く願っておられます。ロビンソン司祭が来日してから四半世紀を迎えようとしていたカナダ聖公会にとって、中部教区の設立は悲願だったのでしょう。丁度そんな時、中央線が名古屋から長野に開通し、教区成立を更に後押ししたのでした。
小池先生のお話を聞きながら、宣教師たちの教区設立への強い思いを再確認し、そのような思い(祈り)は必ず神様に聞かれるということを改めて実感しました。わたしたちも宣教への強い思いを持たなければと思った次第です。