死刑執行に断固抗議します

2014年9月1日

内閣総理大臣  安倍 晋三 様
法務大臣    谷垣 禎一 様

 死刑執行に断固抗議します

2014年8月29日、仙台拘置所において小林光弘さん、東京拘置所において高見沢勤さんに対して死刑が執行されたことに対し、ここに強く抗議いたします。

死刑制度は「残忍な刑罰」を禁じた日本国憲法第36条や、「何人も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは屈辱的な取扱若しくは刑罰を受けることはない」と定めた世界人権宣言(第5条)の精神に反するものです。また、死刑制度廃止へと向かう国際社会の潮流にも逆行しています。
刑罰として生命までも奪う権利は国家にも、だれにも与えられていません。しかしながら現実には、法務大臣がきわめて事務的・機械的に署名捺印し、死刑が施行されるという暴挙が行われています。死刑の執行はまさに国家による殺人です。

私たちは現在、死刑の判決後キリスト教の信仰を受け入れ、受洗した死刑囚と共に信仰生活を送っております。また、これまでに、自分の犯した罪に真摯に向き合い、「生きて罪を償いたい」と贖罪の日々を送っていた5名の同宗の友を、死刑の執行によって奪われました。私たちの、死刑制度廃止を求める願いには切なるものがあります。
私たちは、神より与えられたすべての人の生命と尊厳、そして人権を守るキリスト教信仰にたって、一日も早い死刑制度廃止を強く求めます。

谷垣法務大臣には、是非とも多くの死刑制度廃止を訴える私たち国民の声に耳を傾け、内閣及び国会の場において、死刑制度廃止に向け努力されますように、また、その法改正がなされるまで、決して死刑の執行をしないよう強く要請致します。

                日本聖公会中部教区・宣教局社会宣教部