「東日本大震災とアンパンマン」

東日本大震災のあと、漫画のアンパンマンのテーマ曲が被災地の人々に元気を与えています。「なんのためにうまれて なにをしていきるのかこたえられないなんて いやだ」というテーマ曲は漫画の主題歌としては少し難しいのではとも感じましたが、親しみやすいメロディーと考えさせる詩とがマッチして子どもにも大人にも元気を与えてくれているのだと思います。

そんなことを考えていましたら、先日、N司祭から「(アンパンマンの作者の)やなせたかしは聖公会ですよ」と教えられました。びっくりしましたが、アンパンマンには何かキリスト教的なメッセージが含まれているような気もしていましたので、胸につかえていたものが取れたような気がしました。

先日の新聞に東日本大震災関連でやなせたかしさんの話が載っていました。アンパンマンはもともと大人向けの物語として書かれ、その後子ども向けの絵本になったそうです。当初、子どもには難解すぎると言われたり、アンパンマンが自分の顔を人に食べさせるのは残酷だという抗議もあったようです。しかし、子どもたちはそういう大人の心配をよそにアンパンマンのファンになっていったのでした。

アンパンマンはイエス様を模しているとも言われます。確かに、自分の体の一部を食べさせるということは、イエス様の「わたしの体を食べ、わたしの血を飲む」(ヨハネ6・56)というお言葉に通じるものがあります。自分の顔を食べさせてしまったアンパンマンはふらふらになるのですが、『ジャムおじさん』が新しい顔を作ってくれて復活します。ジャムおじさんはさしずめ神様といったところでしょうか。アンパンマンがこれからも被災者の皆さんに力を与えてくれますように。