「ともしび」5月号で紹介がありましたように、この4月から教区関連施設の責任者に新たに何人かの方々が就任されました。いろいろ御苦労もあるかと思いますがお働きの上に神様のお導きをお祈りいたします。
その中で、岐阜アソシア「視覚障害者生活情報センターぎふ」館長に山田智直さんが就任されました。山田さんはご本人も書いておられますが全盲の視覚障がい者です。
岐阜アソシアの前身である岐阜聖公会訓盲院の初代院長は森巻耳先生(伝道師)です。森先生は岐阜聖パウロ教会の信徒で、眼病のため失明されましたが、当時岐阜で伝道していたA・F・チャペル師と共に岐阜聖公会訓盲院を設立し、視覚障がい者の教育や生活の向上のために尽力されました。
森先生はご自分の目が見えなくなったのは「これ皆な神の聖旨なり、吾を盲人社会に用いて神の栄を表わさしむなり」と受けとめ、視覚障がい者の教育と福祉のために生涯を捧げられました。山田館長もその遺志を受け継ぎ、彼自身も書いておられるように視覚障がい者の方々の気持ちを共有し、その方々に寄り添った働きをしてくださることを信じています。
山田館長とはわたしが岐阜聖パウロ教会に赴任してからの関わりですので25年になります。実を言いますと、彼に出会い、彼の明るさと前向きさとバイタリティーにより、わたしの視覚障がい者に対する意識が変えられたのです。彼の言動から、目が見えないことは決してハンディではなく、ただ少し不自由なだけだということ、そして、その不自由さを取り除くことが晴眼者であるわたしたちの務めであり、それが共に生きるということなのだと教えられたのです。山田館長の活躍に期待します。