「一つの時代の終わり」 2013年9月

本年4月、かつて名古屋学生センター(当時)、及び名古屋聖マタイ教会で働かれた、カナダ聖公会宣教師であった、ブルース・マッチ司祭が逝去されました。一昨年には夫人と共に来日され、かつての学生センターの仲間たちとの旧交を温められたばかりでした。わたしも同席させていただきましたが、とてもお元気なご様子でしたので逝去されたと聞いて大変驚いた次第です。マッチ司祭は学生センターの活動を通して多くの青年たちに現代におけるキリスト教の在り方を示されました。

そして、7月27日、今度は同じくカナダ聖公会宣教師であった、セロ(シリル)・パウルス司祭が亡くなられました。パウルス司祭は、戦前、高田降臨教会で働かれ、戦後補佐主教になられた、P・S・C・パウルス司祭の長男として日本でお生まれになり(軽井沢とお聞きした記憶があります。)、戦後、宣教師として来日され、新潟聖パウロ教会、名古屋聖マタイ教会で働かれました。その後、聖公会神学院教授として、また、在日カナダ聖公会代表として、中部教区のみならず日本聖公会のために貢献をされました。

1970年にカナダ聖公会が中部教区並びに日本聖公会への支援を打ち切ると共に、お二人はカナダに帰国されましたが、その後もしばしば来日され、日本聖公会に対して、また、中部教区に対して、信仰的、神学的な示唆を与えてくださいました。わたしが高田降臨教会牧師時代、パウルスご夫妻が高田においでくださり、教会の方々と親しい語らいのひと時を持ったことが想い出されます。

かつて中部教区で働かれたお二人の宣教師の方々の逝去は一つの時代の終わりを象徴しているように思え、寂しい気がします。両師の魂の平安をお祈りいたします。